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業界別インタビュー

2017年1月30日

国際基準に則った教育が、大学・企業ともに必要[人材] ケイシー・バーネット (2/2)

人材・コンサル

カムエド・ビジネススクール CamEd Business school
学長 President: ケイシー・バーネット Casey Bernett
カンボジアはもちろん、インドシナ地域で初めて英国公認会計士(ACCA)プログラムを提供するカムエド・ビジネススクール。国内で屈指の会計士の専門学校である同社の創立者であり、自身もACCA資格を持ち、世界銀行のコンサルタントなどを務め上げたケイシー・バーネット氏に、カンボジアでの会計士の採用と育成について、将来の展望を交えて語って貰った。(取材日/2016年8月)
会計士を雇用するにあたって

前回の続き
――会計士の平均賃金を教えて下さい

バーネット 我々の卒業生でいえば、学士を持っている生徒は約300~450ドルですね。平均は350ドルくらいじゃないでしょうか。一方、ACCAを取得した卒業生は、大体平均月2000ドルですね。面白いのですが、同じACCA保持者でも月に4000~5000ドルの人もいれば、月9000ドル、900ドルの人もいる。幅広い金額レンジを平均して2000ドルでしょうか。


――賃金が高い業界等はあるのでしょうか

バーネット 総じて、どの業界でも会計士のお給料は高いですよ。もちろん、経験年数によっても変わってきます。ただ、アカウンタントとしての能力がより求められる、銀行、投資会社、保険会社、会計ファームの金額は高い傾向にあります。

 しかし我々の学校ができる前は、有名な会計ファームのシニアマネージャークラスでも、高いレベルの教育を受けた人はとても少ないんですよ。例え銀行のCFOでも、です。


――どうすれば優秀な会計人材を雇用出来るのでしょうか

バーネット 我々の目指す優秀な会計人材というのは、国際標準に則った教育を受けた人、学位を取得した人です。グローバルスタンダードに則った教育をしていない学校は、独自でカリキュラムを作っており、学校によって知識の差が異なりますよね。国際会計基準に則った会計が出来るかどうかが、ポイントになるかと思います。


――母国語ではなく、英語で会計を学ぶというのはとても難しいことだと思うのですが、カンボジア人学生の英語レベルはいかがでしょうか

バーネット 学習者の英語レベルは毎年上がっています。私がカンボジアに来たのは1991年で、来た時の学生は2-3年英語を学んだのみという人も多かったのですが、それからは見違えるほど上達していると思います。今の学生は1996年生まれで、5歳から15年も英語を勉強しています。新世代の学生さんには素晴らしく英語が話せる学生もいます。

会計士の将来と課題

――会計を学ぶ学生にとって潜在的な可能性はどれくらいでしょうか

バーネット 正直、まだ限定されていると思います。例え会計を学んでいても、英語を流暢に話せてもです。なぜならば、企業は国際基準ではない、独自の会計法を取っているところも多く、依然として、その会社に応じた独自の財務諸表の作成やトレーニングに多くの時間を費やすのです。

 我々の学生は、KPMGやPWCなど大きな会計ファームに就職することが多いです。国際的な大企業で、もちろん国際基準に則った会計業務を行っていますからね。我々の学生もすぐに業務に取り掛かれます。


――将来のHR業界の見通しについて、どう思われますか

バーネット 正しい方に進んでいると思います。我々の学生や卒業生で、現在現地の大学で教鞭をとっている人もいます。人々はより高度な勉強を受け、ローカルの大学も進歩するでしょう。英語の能力も益々上がっていきますね。

 学生達は、時間やお金を何に投資したら良いかを分かっています。高度な教育を受けることが、将来に繋がる重要なことだと知っているのです。ただ、時間はかかると思います。

 なぜならば、上の世代がいるからです。22歳23歳で卒業して、新入社員として入社した場合、マネージャーの多くは彼らの上の代です。その世代は、高度な教育を受けていないし、経験も少ない。そういった人について仕事をするのはまだ難しいでしょうね。

カンボジアにおける企業納税の現状

――最後に個人的な質問ですが、カンボジアは好きですか

バーネット 好きでもあり、たまにすごく嫌いになることもあります。ただ言えるのは、好き以上の感情がありますね。

 あとは会計業務で言えば、力のある人が良い思いをすることに対して、残念だなと思う時があります。我々は税務署と良い関係を保っていますが、話を聞くと、中小企業がきちんと税金を払っているのに、大企業が恩赦を受けているとか。または、カンボジアのことを知らない外国企業が多く税金を払っていたり。

 例えば個人商店をしている外国人男性がいました。彼は毎年何百ドルかの税金を支払う必要があったのですが、これまで払ったことがなかった。それが2-3か月前に、税務署職員が店に来て税金を支払うように言ったんです。これまでの30年間分です。本来であれば2万ドル追徴でしたが、1500ドルしか払えず店を手放しました。一方、年間何十万ドルも売り上げがある大企業には、昔からの個人的なコネで税金を見逃していたり。ある人は支払って、ある人は支払っていないのはおかしいですよね。


――最初は小さくビジネスを始める投資家も多いですが、そんな方々が気を付けることはありますか

バーネット 通常の税制に則っていれば大丈夫ですよ。あとは、優秀な会計士を雇う。これですね。 本日はありがとうございました。
(取材日/2016年8月)


カムエド・ビジネススクール CamEd Business school
事業内容:ビジネススクール
URL: www.cam-ed.com
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