2020年3月11日
―――まずは自己紹介をお願いします
安藤朋美(以下、安藤) 東京コンサルティングファームの安藤朋美と申します。現在、日系企業の海外進出からカンボジアでの会計・税務・人事労務・人材紹介などのバックオフィスに特化して経営サポートをしております。
2018年4月に赴任し、一時期タイへ異動しておりましたが、2019年9月より再赴任いたしました。
―――東京コンサルティングファームの特長ついて教えてください
安藤 弊社は、2011年にカンボジアに設立して以来、カンボジアの日系企業をメインにサポートをしております。サポートといたしましては、カンボジア進出検討段階の市場調査、フィジビリティスタディから企業設立、設立後の会計・税務業務、法務、人事制度構築や人材の確保・紹介までをワンストップサービスで行っております。
経営コンサルティングファームですが、母体は会計事務所となっておりますので、会計・税務業務を得意分野としております。「未来会計コンサルティング」という、企業の財務諸表作成といった「過去」の結果ではなく、財務データから「未来」にフォーカスしてコンサルをしております。
カンボジアの「未来」にフォーカスをし、弊社は経理業務の内製化と月次決算書の早期化の実現を全面的に推奨してサポートし、現地経理人材だけではなくマネジメントをしている日本人の皆様と財務分析を一緒に行い、財務データに基づく戦略や意思決定のサポートを行っております。
また、弊社の海外拠点は27か国44拠点構え、東南アジアを中心に活動していることから、各国のネットワークや知識を活かし、日本からの進出のみではなく、他国からのカンボジア進出や、カンボジアから他国への進出をサポートしております。
―――続いて、会計や税務といった業界を取り巻く環境について教えてください
安藤 カンボジアは、タイプラスワンやチャイナプラスワンと言われ、タイとベトナムの間にいることから、注目される機会も少なくありません。また、発展途上国なことから、まだまだ発展の余地があり、ビジネスチャンスも沢山あるように感じます。
一方で、税法や労働法など法律は毎年頻繁に変わり、年々規制も厳しくなってきており、情報を追っていかないと政府機関より罰則を受けてしまうということも多発しております。また、まだまだ輸入に頼っている上にカンボジアはあまり多くの国と租税条約を結んでいないために、関税が高く、物価は高く、光熱費も高く、人件費も最低賃金の影響で高くなってきており、多くの企業が経営を続けることに苦労しているようにも見受けられます。
―――業界の今後の展望や御社の抱負などがあればお伺いしたいです
安藤 弊社は経理を始めとした「人材教育」へ力を入れていきます。「人材教育」から多くの優秀なカンボジア人の輩出をしていき、日系を含めた外資企業の強い味方を増やしていき、我々外国人の本来の業務に集中できる体制をつくっていきたいと思います。また、「脱カンボジア教育水準」を目指し、会計・税務分野担当でなくても経営に関心を置き、自ら行動できていく人材を増やしていきます。
弊社は、大きく分けて2つの視点で教育を行っていきます。
1つ目は、個々の従業員への「教育指導」です。弊社の経理実務経験と弊社従業員と培ってきたノウハウを活かして、未経験者や現経理人材の実務と知識応用の教育指導を行います。日本人から指導するだけでなく、弊社従業員からの指導を含め、一緒に学ぶ体制で行っていきます。
2つ目は、企業の「教育システム」支援です。企業がいくら個の従業員に対して指導しても、いつかは去ってしまいます。カンボジアもジョブホッピングが激しく、少し経験を積めば給与をあげることができると思って転職する傾向があるため、属人的になりがちな社内体制は企業が損をする一方です。そのため、実務的なマニュアル作成サポートだけでなく、経理という概念を飛び越えて、人事マネージャーとして社内の組織体制サポートをいたします。
―――では、最後に進出する企業へのメッセージをお願いします
安藤 カンボジアに進出するというのは、一見、他国に比べ簡単に設立し、費用の負担が少ないなどと考えられますが、実はリスクとの戦いに終始してしまうことがあります。
カンボジアにいる多くの企業はカンボジアが好きで、カンボジアのために何かできないか、そしてまだまだ未発展な部分が多く、ビジネスチャンスを多くあるでしょう。夢や目標に向かっていくには、カンボジアでは課題が多く、足を引っ張られることが多いため、私たち外国人の労力と時間を浪費してしまい、思うように事業が伸びていかないということが起こります。
私たちは、思うように事業が伸びていかないと悩む企業を全力でサポートいたします。カンボジアで事業を行う目的、ビジョン、企業がカンボジアに与えたいものも再定義し、会計・税務・労務等を単なる個別の法令対策ツールとしてではなく、事業目的の達成のための一体のものとして企業の経営サポートをいたします。
私たちの会計税務の背景を活かしたサポートだけでなく、これまで世界に拠点を置いてきてコンサルティングファームとして人を育てることにフォーカスしてきた一企業として、私たちは皆さんの企業の一員となり、事業成功のお手伝いをしてまいります。