2016年9月2日
―――まず、タマホテルについては伺いたいのですが、客層や立地の特徴などを教えてください
上田武範(以下、上田) 宿泊者は出張者と旅行者ですね。スタート時は5割が日本人、3割が近隣アジア人、残り2割りが欧米人でした。最近は欧米人が増えてきました。日本人は分散してきたと思います。日系でもいいホテルが増えましたし。滞在日数が多いと少し中心から離れてもプールがあるようなホテル、短いとうちといった感じで使い分けられていると思います。
当ホテルは、プノンペンタワー内にあるのでビジネスには最高です。価格は正直に申し上げて、かなり安いと思います。ご利用いただきやすい価格設定をすることでファンを増やしていく段階だと思っています。スタッフと共有しているのは、ホスピタリティでナンバーワンを目指そうということです。カンボジア人はもともと明るくて笑顔が素敵な人が多いので、大変印象はいいです。そこにホスピタリティの考え方を教育していくイメージです。
ホテルはお客様との接触回数が限られているので、一つ一つの接触でいかに感動していただくかを考えて行動するように教育しています。例えばホスピタリティの一貫として、スタッフからご宿泊のお客様にお手紙を書くというおもてなしをスタートしました。
はじめて1ヶ月半くらいで、お客様からお返事の手紙をいただくなど、小さな進歩がありました。悪い評判はすぐに立ってしまうけど、いい評判はなかなか伝わらないので難しいですが、毎日の積み重ねが大事だと思っています。
―――ホテルにはレストラン・バーD22も併設されて便利ですよね。これについてはいかがでしょうか
上田 D22のお客様の理想の比率は、5割カンボジア人、残りの5割は外国人と考えています。今はそれに近くなってきています。現地のカンボジア人と外国人がともに楽しんでもらえるようなメニューやコンテンツ、雰囲気つくりを常に意識しております。その一番根底には、まず日本人が日本人として恥ずかしくないような空間づくりやイベントを行い、先進諸国の外国人にも満足してもらえる店づくりをしていきたいと思っています。
毎月22日に開催しているイベントは、全て社内で企画し、実行しています。新しい風をイベントを通じてカンボジアに吹き込めたらいいなと思っています。発信するにはいいロケーションだと思います。欧米系向けのイベントだと思われるものでも、日本人の方にもっと来ていただきたいと思っています。私たちは日系企業なので、まずは日本の方に楽しんでもらいたいです。
D22は、イベント会場として欧米系の団体様や、結婚パーティなど幅広い用途でもご利用いただいています。
―――レストランで進出したい人に向けてアドバイスするとしたら、どんなことがありますか
上田 仮に僕がレストランオーナーだったら自らが率先してお店の色を出していきます。技術力なのか、接客なのか、僕はその方向しかないと思っています。日本食で出店する場合、日系というだけでも非常に期待値が上がるし、何よりも日本人からのお客さんからの評価が非常に重要になってくると思います。まず日本人のお客様に評価され、その結果カンボジア人や外国人のお客様が来店されるようになる。そうした評価が世界基準で勝負するということだと感じています。(取材日/2016年4月)
(次回へ続く)