2015年12月28日
(前編からの続き)
――既にタイも少子高齢化が問題になっているのにタイ人自身も大変そうですね。カンボジアに限らずASEAN全域に進出を是非実現して、日本の医療技術によって救われる人たちを増やしてください。ところで、そんなサンインターナショナルクリニックについて特長を教えていただけますか
久保 サンインターナショナルクリニックは、カンボジアで初めての複数の日本人医師による総合診療所です。診療科目は、内科(総合診療医、感染症診療も含む)、耳鼻咽喉科(外鼻形成手術、秋からは衝撃波治療も行います。)、整形外科、肝臓病・消化器内科に対応しております。
経鼻内視鏡を備え、レントゲン検査、エコー検査、各種血液検査が可能で、最近では企業健診も増えております。当クリニックの内服薬、注射薬は可能な限り日本製を使用しております。日本人看護師が現地スタッフを教育し、日本標準の患者接遇を目指しております。耳鼻科手術や整形外科の外来小手術は、麻酔科医師の管理のもと可能です。
また、アンチエージング治療にも力を入れており、プラセンタ注射、高濃度ビタミン点滴、ニンニク注射、その他様々な注射、点滴薬を完備しております。
――アンチエージングが個人的に興味深いですが(笑)、そもそもカンボジアの医療の現状はどうなんでしょうか
久保 カンボジア人医師の医療技術は低く、診断もわからないまま薬漬けにし、ガンなど難治疾患はたらい回しにします。抗生物質の効かない耐性菌は日本以上に増加していますね。経済発展が著しく、多くのビルや工場建設ラッシュ、自動車の普及のため大気汚染は深刻です。中国同様にダニ、かび、PM2.5などの呼吸器の汚染物質が室内外問わず多く、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫を引き起こす可能性があります。鼻や喉に少しでも違和感を感じたら、耳鼻科を受診ください。また飢餓から飽食に急激に変化したため、Ⅱ型糖尿病は日本以上に増加しています。
――確かにプノンペンの街中の空気は汚いですよね。それに、みなさん砂糖を沢山使いますよね。ほかには何かありますか
久保 カンボジアで処方される薬には十分にご注意した方が良いですね。カンボジア国内で流通しているのは主に西洋諸国で流通している薬剤で、日本人には効果がきつすぎて、副作用の恐れも大きくなります。添付文書にある用法の半分ぐらいでも日本人には十分効くケースもあります。当クリニックでは日本製の医薬品をなるべく取り揃えており、やむなく海外の薬を処方するときには日本での内服量に準拠した処方を考えています。
――なるほど、安心ですね。では最後に、SICの今後の豊富をお聞かせください
久保 日本の鼻副鼻腔の内視鏡手術、重粒子線治療やPETなど核医学、幹細胞治療などは世界最高水準であり、ここカンボジアを拠点とし、今後東南アジアに日本医療を拡大していきたいと考えております。また、2015年10月に日本で始めてのインバウンド目的のクリニックモールを、ラッフルズジャパンと共同で大阪で立ち上げます。日本に行けば治る病気を日本で治すという情報をまず発信し、インバウンドビジネスにも力を入れていきたいと思います。(取材日/2015年9月)