2018年2月19日
――ご自身及び会社の自己紹介をお願いします。
ヴィー・ウータンワッタイ(以下、ヴィー) 私はRTRツアーのマネージングディレクター且つ株主のヴィー・ウータンワッタイです。弊社は1996年に設立され、今年で21年目を迎えます。
弊社は全範囲に亘るサービスを展開しています。カンボジア人の海外旅行(アウトバウンド)、外国人のカンボジア旅行(インバウンド)に対応し、チケット、ビザ、パスポート、ホテルの予約、ツアーなどに関するサービスを提供しています。
ここ1年間、弊社は拡大を遂げており、先月にはカンボジアクラウンに新たな支店もオープンしました。これはここ1年での大きな飛躍だと思っています。主にインバウンドを中心に、販売も増加しています。
私自身、8年前にこの会社に入社しました。私は経営の経験があったものの、観光業ではありませんでした。この業界に関しては全くの新参者でしたが、この業界に関して勉強に励み、現在では株主且つマネージャーを務めています。
――御社の強みを教えてください。
ヴィー “クオリティ”、”信頼性の高いブランド”、”忠実な顧客層”が弊社の強みですね。信頼できるブランドであれば、クオリティを重視しなければいけません。クオリティの向上には、多くの経験が必要です。
弊社は、カンボジアの中で最も古い旅行会社の一つであり、旅行エージェンシーと言えばカンボジア人のほとんどが知っているのではないでしょうか?21年間の経験の中で、多くの問題や障壁がありました。その経験の分、弊社は問題解決、解決策の発見に関して長けています。
そして弊社はクオリティを非常に重要視しており、長年において決して“安さ”を求めたことはありません。その結果、顧客も価格の安さではなく、クオリティを求めて弊社のサービスを利用して頂いています。弊社クライアントの中にはリピーター客、上顧客が多く、全体の30%はリピーター客です。
――カンボジア政府は700万の旅行客数、500億ドルの経済効果を目指しています。観光業の発展に最も求められていることは何だと思われますか?
ヴィー 一つ目はホスピタリティです。これは弊社で常に意識している点です。ホスピタリティは細かい基礎的なものから始まります。旅行予約、ビザ、飛行機、書類などです。
しかしカンボジアには、不法行為を行う企業が存在します。彼らは、クライアントに対し多額のコミッションを求めます。タイでは、既に政府が違法企業を取り締まっていますが、カンボジはまだ政府によるコントロールが厳しいと思われます。またサービス後、自国に帰った時のお客さんの口コミが重要なマーケティングになる観光業にとって悪影響となり得ます。“適切な”ホスピタリティが求められます。
2点目は、国としてのプロモーションです。これは政府レベルの問題です。観光省は既に様々な功績をあげていますが、カンボジアを訪れる多くの観光客は、カンボジアにはアンコールワットしかないと思っています。
しかしカンボジアは他にも魅力的な観光資源に溢れていますが、多くの人がカンボジアの滞在期間を1日のみで終えてしまい、その後タイなどに移動してしまいます。これでは貴重な観光客を逃しています。
他の観光資源に更に価値を加えることが可能です。私自身、アクティビティが必要だと思っています。クリエイティブなものを見出すのは難しいことですが、チャレンジすべき点ですね。
3点目は、観光客にフレンドリーな環境づくりです。カンボジアは既に多くの人が英語スキルを持っているため、言語面に関して問題はありません。ただ、タイでは観光客用に警察やタクシーが整備されているように、観光地には観光客を守るより高いセキュリティレベルが求められると思います。
4つ目は、諸外国との連結網となる飛行機です。しかしカンボジアは他国との直行便が発展しておらず、大抵の場合、バンコクやシンガポールでの乗り継ぎが必要とされますが、これでは必要以上の時間を要してしまいます。
明るいニュースとして、今年7月よりヤンゴンープノンペン間の直行便が出来ました。直行便開設後、かつては乗り継ぎ含め7~8時間かかっていたのがたった2時間で行き来が可能になりました。お陰でミャンマーからの観光客数は増加しています。
直行便の開設に加え、空港の拡大も必要だと思います。政府は現在、プノンペン国際空港を拡大中で、シェムリアップ空港も拡大が計画されています。なるべく早い実施を願っています。
最後のポイントは、シーズンによるプロモーションです。カンボジアでは9月から3月までが多くの観光客が訪れるハイシーズン、4月から8月がローシーズンで観光客数が軽減する時期となっています。これは各国の休暇時期やカンボジアの雨期などが関連しています。
6月から8月はヨーロッパ諸国では休暇があるため、観光客が多く訪れます。しかし、近年ヨーロッパ地域における政治的問題が絡み、同地域からの観光客数は減少しています。
ローシーズンには全てが下がってしますので、世界各国による会議の開催や値下げ、期間限定のショーなど、ローシーズンならではの魅力を見出し、観光客に受け入れられるものにする必要があります。
(次回へ続く)