2014年12月17日
(前編からの続き)
――22年の会社の歴史の中で、どのような変化を遂げましたか?
ラム・ブイ(以下、ブイ) そうですね、様々な作業が自動化されたことでしょうか。あとはガントリークレーンやトランステナークレーンの導入です。以前のものは一時間に5本程度でしたが、最新のものは一時間に30本程度動かせます。ずいぶん変わりましたね。また創業当時から勤務している人もいますので人材には恵まれてると思います。できる限りペーパーレス化も進めています。例えば、今までは予約は電話かファックスが多かったのですが、電子商取引を導入したおかげで9割程度はそちらに移行しました。あとはインフラが変わってきましたね。現在プノンペン―シアヌークビル間は国道4号線を主に利用していますが、だいぶ早くなりました。とは言え、コンテナトラックは最低でも6時間かかります。制限時速が違いますから。インフラの選択肢も変わってきました。昔は陸路のみでしたが、現在は鉄道も使います。またプノンペン港の稼働の影響も大きいですね。選択肢と機会がずいぶん増えたのでそれに伴って成長することができます。
――逆に期待通り行かなかったことなどはありますか?
ブイ 現状に満足ばかりしてはいられません。国際貿易はダイナミックな業界ですから。時間がモノをいう業界ですが、カンボジアでの税関処理はまだペーパーレス化されておらず、煩わしさがあります。国自体の生産性は高いですがそのような点が足を引っ張り、期待通りとは言えません。タイやベトナムなどに比べても明らかにスピードが落ちますね。陸路や鉄道もそうですが、選択肢が狭まることで競争力が下がります。投資する側からすれば、同じ工程を踏むなら生産性の高さを選ぶと思います。そのあたりが苦難と感じることもありますが、政府が解決に向けて努力できるのでしたらこの国の競争力はかなり高まると思います。
――インフラや近隣諸国との違い以外で困難と感じることはありますか?
ブイ 輸送コストが比較的高いですね。以前に調査した時のデータですが、ベトナムに比べて2.6倍の輸送コストがかかります。あとは先ほども申しましたが、自動化できる部分は自動化したほうが楽ですね。カンボジアは魅力的なマーケットなので悠長にはしていられません。競争も激化していますから。
――あなたはMaerskに勤務して長いのですか?
ブイ 私自身がマークスで勤務して11年になります。今までベトナム、中国、豪、カンボジアと勤務してきました。国際的な会社ですから、社員には国際的な勤務の機会が与えられます。マースク lineだけでなく、ロジスティクス等の関連会社への勤務機会もあります。
私はベトナム出身ですが、様々な国での勤務を経験してみて、カンボジアはそれらの国々との類似性もありますし、全く違う面もありますね。カンボジア人はとても気さくです。外国人として暮らすには良い場所です。ビジネス面での違いと言えば、やはりカンボジアの成長の早さが挙げられます。GDPベースで7%でしたね。世界中の国と比べてもかなり早いと思います。そのような国に暮らして仕事ができるのは恵まれていると思いますし、働く側も意欲がありますね。ただ、輸出産業の少なさは弱みになることもあると思います。
――これからカンボジアに進出する企業へアドバイスはありますか?輸送の事でもいいですし。
ブイ 輸送の面は問題ないと思いますが、ロジスティクス業界はかなり詳細な分析をしたほうが良いでしょう。税関など、まだ複雑な要素がありますし、地元のコネクションも必要です。あとは国内の運輸もまだ弱いので、その点も注意すべきです。それをクリアして、輸出入に関わる書類がそろっていれば、あとは簡単です。我が社と関連会社の輸送頻度はかなり高くなっているので、そんなに時間はかかりません。
――では、現在日本まで物資を運ぼうと思ったらどれくらいかかりますか?
ブイ そこはMCCの管轄になるのではっきりとはわかりませんが、受け取りまでには10日以内だと思います。現在ヨーロッパまでが23日、USAが19-24日です。例えばプノンペンからLAまでなら21日です。アジア内でしたらかなり早くなっていますよ。
――日本人の読者向けに、好きな日本食を教えてください。
ブイ 日本食が大好きで毎週のように行きますよ。寿司や刺身が好きです。特にサーモン刺身が好きですね。日本のものは質が高いので好きです。自宅がイオンモールの近くなので毎週通っています。(取材日/2014年7月)