2018年7月4日
――多くのプロジェクトが2018年に完了予定で、これにより不動産市場に一時的な過剰供給が生じる可能性があります。どのような影響があると思われますか。
2013年に来た当初は、質の高い住宅や宿泊施設が大幅に不足し、オーナーは近隣国と比較し高い賃貸価格を設定していました。これがカンボジアの生活費の増加に繋がりました。2018年の供給量の増加に伴い、オーナーによる貸手市場から借手市場に向かい、テナント誘致のための競争が激化するでしょう。
――テナント不足に直面する可能性について、商業用の複合施設についてはいかがでしょう。
我々の過去データに基づくと、事務所スペースの需要は供給の増加に追いついており、新しい商業用複合施設についても、既にかなりの事前申し込みを確保しています。
――コンドミニアムとサービスアパートメントの対象は主に外国人であり、地元の方々は戸建住宅を好むと聞いています。この志向はまだ同じですか。
単純に価格の問題ですね。どの市場でも聞かれますが、人々は一般的に戸建住宅を好みます。私も昔ロンドン市街に住んでいましたが、家を購入する余裕があれば買っていました。しかしあまりにも高価でしたね。
プノンペンは小さな都市のため、市内中心部から5km以内に住宅を購入または借りることができます。しかし都市が拡大し、交通渋滞の問題がより深刻になるにつれ変化するでしょう。
――外国人向け住宅としてはどの種類の不動産をお薦めしますか。また、オフィスはいかがでしょう。
これは個人や会社によって大きく異なります。お客様の求める基準は異なり、我々も需要に合わせてアドバイスします。
――周辺国や先進国と比較して、中古市場の流動性はいかがでしょう。
良い質問ですね。現在は一部の大規模開発が進んでいるだけで、中古市場は未成熟のため、我々も分析・評価している最中です。
――タクマオ市に新国際空港の計画が発表されて以来、地価は上昇しています。 タクマオ市は首都の衛星都市としてどのように発展すると思いますか。
長期的には、フンセン通りの完成とメガ衛星都市INGシティの開発で、タクマオ市が最終的に「大プノンペン」の一部を形成することは間違いないでしょうね。
――カンボジアの人口分布を見てみると、カンダール、首都東側のコンポン・スプーとカンポット、西側のタケオに集中しています。これについてどう思われますか。将来、人口バランスは変わるでしょうか。
実際、プノンペン以外で人口密度の高い地域には、バッタンバン、カンダール、シェムリアップ、プレイ・ベンがあり、プノンペン以外で成長の可能性が高い州としては、シアヌークビルだと感じています。
シアヌークビルは観光地だけでなく、カンボジア唯一の深海港と複数の経済特区を持つ経済拠点です。すでに、州へは多額の投資がされています。
――観光開発の点からの不動産状況はいかがでしょう。多くの欧米人がシアヌークビルから他の地方に移っていると聞きます、どの地域の人気が高いですか。
シェムリアップは、世界でも有数の観光名所であるアンコールワットがあり、常に最も人気の観光地です。シアヌークビルの離島やオトレスビーチは、依然として欧米人に人気ですが、同じ沿岸部であるカンポットやケップへの移動も増えていますね。