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業界別インタビュー

2018年7月2日

税務調査の指摘事項のトレンドを把握[法務・税務・会計] マック・ブラタナ、ドゥク・ダリン

法務・税務・会計

アイ・グローカル I-Glocal
マネージャー: マック・ブラタナ Mak Brathna (写真上)  ドゥク・ダリン Duc Dalin (写真下)
カンボジア初の日系会計事務所として進出した、アイ・グローカルのカンボジア人マネージャー、マック・ブラタナ氏とドゥク・ダリン氏に、法令や税務に関して留意すべき点についてお話を伺った。(取材日/2017年10月)
設立7年の豊富な経験とノウハウを基に、企業をサポートする

――自己紹介をお願いします

マック・ブラタナ(以下、マック) I-GLOCALカンボジア事務所は2010年4月設立の会計系コンサルティング会社です。カンボジアは法令や各種手続きのシステム整備がまだまだ十分とは言えませんが、これまでの実務経験・最新の情報を基にお客さまの税務リスクを最小化できるようなご助言やご支援に努めています。

ドゥク・ダリン(以下、ドゥク) 弊社の特徴は設立から設立後の会計税務まで一貫してご支援が可能なこと及び設立から7年間の豊富な経験に基づき最善の策をお客様へ助言させて頂くことが可能な点です。

税務調査での指摘にトレンド

――カンボジアにおける会計制度や税制度の現状について、教えてください。また、その中で注目している新たな動きがあれば、教えてください

ドゥク カンボジア法人の代表者もしくは本社からの長期出張者等がカンボジア法人にて勤務し、給与・報酬を受領しない場合であっても、税務調査の際に給与・報酬額を推定し、給与税が課税される事例が直近の税務調査で多発しています。税法上、代表者・出張者に対して給与等を支給しなければならないとの規定はありませんが、税務調査での当該指摘はトレンドとなっています。そのため、カンボジアでの給与額を設定する、或いは出張手当等を設定し、給与税を納税することをお勧めいたします。

社会保険(NSSF)登録が求められている

マック カンボジアにて会社設立を行う場合、商業省・税務総局及び労働省にて登録を行います。労働省での登録は、事業開始通知と合わせて、1名以上の従業員がいる場合は社会保険(NSSF)登録が求められています。つまり、設立直後で従業員が不在の場合はNSSFの登録は不要です。

 NSSF登録後、保険料が毎月発生し、納付遅延等に対しては罰金が定められておりますので留意が必要です。従来(2017年以前)は、8人以上の従業員を雇用する企業のみNSSFへの登録が義務付けられており、新規設立企業や駐在員事務所等で従業員数が8人に満たない場合は登録が求められておりませんでした。

 さらに新規設立企業のNSSF登録に関して、従来は商業証明書発行日より45日以内でしたが、同省令により30日以内に短縮されるなど、制度の変化が著しいため、常に最新の情報を入手し、対応することが重要です。


アイ・グローカル I-Glocal
事業内容:2010年設立、カンボジア初となる日系会計事務所系コンサルティングファーム。 進出前調査・進出支援からその後の会計税務サービスまで、ベトナム法人同様、品質の高いきめ細かなサービスを提供している。日本語・英語・中国語での対応が可能。
URL: http://www.i-glocal.com/

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