2018年1月22日
(前回の続き)
――競合はいるのでしょうか?
山口 同業他社はカンボジア市場に参入しているものの直轄拠点を持っておらず、代理店を通してのみの販売活動を行っています。
――御社ならではのサービスについて教えてください。
山口 海外ビジネスは現地に来て実際に働いてみないと分からないことが多くあります。弊社は直轄拠点を通じて私自身がカンボジア市場と日々向き合っています。
弊社は富士ゼロックスのDNAとも呼べる「直販・直サービス」をカンボジアでも展開しています。直販営業によるお客様に応じた適切な製品のご紹介とソリューションのご提案、優秀なエンジニアによるアフターサービス。機械の故障や設定変更、ネットワークのトラブルといったご相談にも直ぐに対応できるのが弊社の大きなメリットであると思います。
カンボジア支店の直サービスですが、フィリピンで20年以上のエンジニア経験のあるマネージャーとローカルエンジニアがお伺いします。ローカルエンジニアはIT系の大学を卒業後に企業のIT部門で働いていたり同業種での経験がある者を中途採用しています。採用時にある程度のスキルを持っているのですが、いわば我流です。ですので採用以後は約3週間マレーシアにあるサービスセンターで体系的な教育を受けさせ基礎から教え込んでいきます。また毎年行われる富士ゼロックス技能大会に出場することで全社レベルの技能を肌で感じてもらっています。こうすることで人的ネットワークが広がり、モチベーションアップにも繋がっているようで大変嬉しいです。またソリューション提案に欠かせないSE(システムエンジニア)やデジタル印刷に欠かせないカラーマネジメントのスペシャリストなど、全ビジネス領域を広範囲にサポートできる体制を構築しています。これからも各分野で「プロ」に徹することのできる人材を育成できるようしっかりと教育を行って参りたいと思っています。
――カンボジア市場に見合ったサービス、ソリューションの提供を行うために、大切にしている点は何でしょうか?
山口 他国の場合、オフィス機器はリースでご導入戴くケースが多いのですが、カンボジアではリース自体がまだ一般的ではなく、オフィス機器を取り扱って戴けるリース会社となるとなかなか簡単には見つかりません。そのためどうしてもお買い取りして戴くことになりますが、とりわけ予算が限られているローカル企業にとっては一括での購入は厳しいようです。
先ほど話しましたが、ローカル市場では中古機のレンタル契約が主流ですが、そうした商品ではご満足戴けないお客様層も確実に存在します。こうしたお客様に受け入れて戴ける様な新しいスキームを設定し、ローカル市場での販売を増やして行きたいと思います。
――日本企業にメッセージをお願いします。
山口 カンボジアは、外資が入りやすい投資環境になっていますが、実際カンボジアでビジネスを始めると予想外のことも多く発生すると思います。参入前にどういったビジネス形態を行うのがいいか、法制面や税制面、工場であれば実際の稼働時の弊害や税金優遇制度などを十分にスタディされるべきだと思います。こうすることでビジネスリスクを減らし、急成長するカンボジア市場で成功して戴きたいと思っています。カンボジアに進出され、よきビジネスパートナーとして弊社を選んで戴けるようお待ちしております!(取材日:2017年8月)