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業界別インタビュー

2015年1月8日

ASEAN地域のデジタル経済におけるハブになる可能性は十分にある[通信] ポール・ブランシュ・ホルゲン閣下

通信・IT

イージーコム EZECOM
CEO: ポール・ブランシュ・ホルゲン閣下 Okhna Pail Blanche-Horgan
2015年後半、最新のクラウドストレージサービス、ファイル共有サービス、コーポレートメッセージサービスが一つになったアプリケーション、BeeDooを提供したイージーコム。品質の良さに情熱をかけていますとの言葉通り、通信サービスでカンボジア国内最上位となってもなお進化のための努力は惜しまない。CEOのホルゲン閣下に話を伺った。
1年前と比べた通信業界の変化

テレコミュニケーション業界は健全なペースで発展していると感じます。カンボジア人も新たなサービスやテクノロジーに素早く適応しています。例えばイージーコムでは2015年の初めにカンボジア初となるクラウドマネジメントシステム、ibizCloudをビジネスユーザ向けにリリースしました。 

また多くの期待を背負い発表されたMCT(マレーシア・カンボジア・タイ)海底ケーブルプロジェクトでは当社もパートナーを勤めますが、シンガポールで9月に開催された2015年海底ケーブルネットワーク世界会議をもって正式に締結されました。この完成はその接続域とこれまで以上の選択肢の拡大が、通信業界にとって大きく流れを変えるものになると思います。

これらをはじめ、国内外で通信業界にとって好材料が揃っていますし今後もしばらくそのトレンドが続くものと考えています。

競合他社、新規参入会社

イージーコムは依然高品質通信サービスに於いてリーディングカンパニーです。事業者及び一般消費者向けに無比のライナップを揃えています。最近新規参入会社がいくつかありますが、いずれも小中規模のプロバイダーで、中低収入層をメインターゲットにしています。中低収入層はまだ競争の余地があると思いますのできちんとマネジメントが行き届いているなら問題ないでしょう。

近年の携帯通信網の発達により、多くのカンボジア人のインターネット通信の手段は今や携帯電話を通じたものとなっていますので、携帯通信業界にはまだ伸びしろがあると考えています。開発者や起業家にとっても面白い業界ではないでしょうか。

将来の通信業界の展望

アジア経済共同体の発足もあり、業界の未来は明るいと感じます。東南アジア地域の距離感や地理感に対する考え方も変わると思います。IT企業は国境を越えた環境で繁栄する力があるものですし、カンボジアがその若さと人口動態を活かしてASEAN地域のデジタル経済におけるハブになる可能性は十分にあると考えています。

日本は品質の良い商品やサービスに定評がある国ですし、日本人もまた品質の良いものを求めることで知られています。イージーコムの通信サービスはカンボジア国内でも最上位にあると定評がありますし、品質の良さに情熱をかけています。当社のサービスにこそ日系企業や個人の求めるものがあるかと思っています。(取材日/2015年10月)


イージーコム EZECOM
事業内容:カンボジア財閥ロイヤルグループ。国内最大手プロバイダで、唯一のISO認証を受けている。国内に光ファイバーネットワークを保有しており、個人&法人向けインターネットパッケージを提供。24時間365日サポートのヘルプデスクあり、英語・中国語・クメール語対応可。
URL: http://ezecom.com.kh
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