2016年3月9日
(前回からの続き)
居住物件市場は2つの側面から見る必要があると考えています。ボレーと呼ばれるゲート内高級物件と、市内中心部の中高層コンドミニアムです。カンボジア人はボレー内の物件を好む傾向があり、中高層コンドミニアムはシンガポールや日本、韓国や中国人など国際的な客層の投資物件として好まれる傾向があります。ここ数年のコンドミニアム価格は安定していますが、最近は販売平米単価1,200ドル前後から3,500ドル前後までと、価格帯の幅が広がっているように感じます。
また最近は4万ドル前後の販売価格からなる小規模、格安ユニットの市場投入も活発でエントリーレベルの投資向けに好まれているようです。今後の展望ですが、アジアの他の都市と同様に国内の所得向上や都市暮らし志向の高まりとともに国内需要に移行していくのではないかと予想しています。
CBREは世界的な不動産会社です。その経験や実績からカンボジアだけではなくシンガポールや香港、タイやベトナムなどアジア全域の魅力的な物件のご紹介が可能です。国際的基準を求めるクライアント様にもニーズに合ったものをご案内できるかと思います。広域をカバーすることで、顧客企業の販売戦略にもプラスに働いているかと思います。
また当社では社内に調査部署を置いて業界の最新情報を常にリサーチしている為、顧客へ今後の展望などを供給することが可能です。カンボジア支社においても国際的、ローカル両方の不動産の経験豊かなプロを揃えています。海外の顧客からはこのローカル情報が重宝されています。
ビル管理に於いて、専門的マネジメントは重要項目です。借り受ける側からすると、一定の水準でのサービスや、問題があった際の対応などが受けられるという安心感が得られます。またビルをきちんと管理することにより物件そのものの耐用年数が増えることにもつながりますし、稼働率も上がるでしょう。きちんと管理の行き届いた物件の方が市場の中でも魅力的であるかと思います。
また、ディベロッパーはビル管理まで考えた計画立案をすることが重要です。初期段階で管理会社を交えた展望を持つことで稼働率利益率ともに上がりますし、管理側の視点で見た問題点への対策も可能です。例えば駐車場のデザインミス、配線やパイプスペースの効率的な配置なども完成後のコスト管理を大きく左右します。(取材日/2015年10月)