2017年8月30日
―御社について教えてください。
トーチ・チャンセレイヴス(以下、チャンセレイヴス) ads marketing solution(以下ams)は1996年に設立され、20年の間独立したクリエイティブ・メディアエージェンシーとして、TVを中心にラジオ,雑誌,ビルボード,インターネット広告,イベントなどあらゆるメディアの広告を取り扱っている広告代理店です。
カンボジアで数多くみられる広告枠を提供するだけの広告代理店とは異なり、広告戦略の策定から、広告制作、広告枠の提供、実施、その後の効果測定分析までトータルで行っています。
カンボジア国内の様々なメディアからも信頼され、メディアよりもより安価に放送枠の提供を行うことが可能となっています。また、広告予算に合わせた経済的、効果的な広告戦略を提案しています。広告をただ流すだけではなく広告結果を重視していて、社内の広告効果測定の専門家が視聴率などのデータを分析し改善案を提示しています。
―チャンセレイヴスさんの役割について教えてください
チャンセレイヴス 私の役割は、顧客から取り扱う商品・サービスなどの情報をヒアリングし、その情報や過去の類似案件のデータなどから顧客にとっての効果的な広告戦略を提案しています。また実際の広告を行ったあとの改善点の提案なども行っています。CTNなどカンボジアで最も人気のあるTV局などとエージェントとしての信頼していただけるように、安定した広告をメディアに提供し続けることで、時にメディアの提示価格よりも安価で効果的な広告枠を確保するといったようなことも行っています。さらに顧客のブランドイメージに合う媒体やTV番組などはどれかといった部分についても常にアンテナを張り、顧客の求める効果を出せる広告について日々考えています。
現在、依然としてTVはカンボジア国内において最も多くの人々の目に止まる広告媒体ですが、デジタルメディアやソーシャルメディアの広告に関しても今後は伸びていくと思います。
―amsの提供するサービスの特徴をお教えてください
チャンセレイヴス 私たちのサービスの強みは広告をただ流すだけではなく、広告戦略の策定、広告制作、実施、結果の検証・分析など一連の流れとして繰り返し実施することで、広告をさらに効果的なものに仕上げることができるという部分にあります。
実際の広告を実施する際には、まず初めに顧客のビジネスや目標を深く理解し、企業内で蓄積したマーケティングデータや消費者動向、メディア概況などと合わせた分析を行った上で、予算配分やどういった広告を実施するのかなど広告戦略を提案します。
そして、広告を実施する際には顧客の投資が最大効果を生むためには、どういった広告にどのぐらいの費用を投じるのかなども具体的に提案します。また、広告制作に関しましては社内の制作チームが担当し、メディアの枠を抑え、広告を実施します。
重要なのはここからです。実際に広告を実施した後で、国際的な調査会社の提供する様々なデータを用いて、どのぐらいの人がいつどのように広告を見たのかを評価、分析を行うことで、その次の広告戦略の改善点を提案します。こういったサイクルを社内で循環して実施可能なチーム体制を持っていることが大きな特徴です。
―どのようにして分析に必要なデータを集めるのでしょうか
チャンセレイヴス TV広告を例にあげますと、広告戦略を策定するのに必要なメディア概況や消費者動向に関しては、国際的な調査会社協力の元、年に2回約5000人のカンボジア人を対象に、対面して直接アンケート用紙に記入してもらう方法で情報を集め、社内の専門家が分析を行い提案用のデータを作成しています。
また広告の効果測定のために、視聴率調査も行っています。視聴率調査はプノンペン、コッポンチャム、バッタンバン、シェムリアップ在住の15歳から50歳の男女3500人を対象に日記形式で行われ、対象視聴者は毎日1時間毎でどのような番組を見ているのかをデータで入力し、入力したデータは4時間ごとにコンピューターサーバーへと送られます。それと合わせて対面での詳細なアンケート調査も実施しています。視聴率のデータからは広告戦略の改善のため、今どのような番組が人気で、どういった広告展開がなされているのかといった部分も同時に調査しています。
インターネットで調査を行っている部分はありますが、カンボジアのTVはまだデジタル化されていない部分が多く、農村部ではインターネットも普及していないため、アナログな方法も用いながら幅広くデータを収集でしています。
これらの情報を常に更新しながら、広告戦略の改善に役立てています。
―ソーシャルメディア・デジタルメディアの広告について教えてください
チャンセレイヴス 確かに近年ソーシャルメディア・デジタルメディアの普及は急速に進んでいます。もちろん今後の主流になる可能性は大いにありますが、広告媒体という部分に関しての仕組みがまだきちんとできておらず、単独の広告媒体としてはまだまだこれからという状態だと思います。
カンボジアで全国的に自社のブランドイメージ、製品、商品を短期間で幅広く消費者に伝えるためにはTV広告が今のところ最も効果的だと考えています。マス広告という部分では街頭広告や多くの人が集まるイベントの開催も効果的だと言えると思います。
―日系企業のビジネスマンへのアドバイスがあればお願いします
チャンセレイヴス 他の国の企業と比べ、日系企業のTV広告はまだまだ多くはありません。
カンボジアでは日本と比較してカンボジアのTV広告に必要な費用は10分の1程度に抑えることができます。もしカンボジア全国に向けて短期間で自社のブランドイメージ、商品、サービスを広めたい場合はTV広告も非常に効果的だと思います。様々な広告展開の一つとしてTV広告を組み込むことも実現可能だと思います。気軽にご相談ください。(取材日/2017年1月)