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  • 労働
  • 2023年10月10日
  • カンボジアニュース

出入国在留管理庁が送り出し機関の高額な仲介料が失踪の主因と指摘。カンボジアの3機関が受け入れ停止処分[労働]


JITCOのWEBサイト

失踪が増加している外国人技能実習生に対し、出入国在留管理庁等は、カンボジアの3機関からの新規実習生の受け入れを11月末から一時停止すると発表した。

同庁によると、外国人の技能実習生の失踪を防止するため、これまでに失踪者の多い国内の受け入れ先の資格を一時的に取り消すほか、一昨年にはベトナムの送り出し機関からの受け入れを停止する措置を講じたもの、昨年は過去2番目に多い9006人が失踪している。

失踪者数の発生が著しく多いカンボジアの3つの送り出し機関に対して、新規の実習生の受け入れを11月末から最低でも6ヶ月間停止されることとなった。

カンボジアの技能実習生の失踪率は2017年~2021年の間で、ASEAN諸国の平均を2倍から4倍上回っており(下図参照)、同庁が今年2月に公表した資料では、失踪の主因として、「受入企業からの賃金等の不払いや不適正な取り扱い」及び「実習生側の経済的事情や入国時の費用回収」の2つを挙げている。

ASEAN諸国の失踪率の推移

CMP調査

特に、カンボジアの技能実習生は、他国の実習生と比較して高額な費用(平均4987ドル)を支払い、その大部分を借金(平均4920ドル)としていることが、今年7月に同庁が公表した報告書で明らかにされている。これは同庁が挙げる失踪の主因に直結するものだ。

この報告書では、仲介費用がカンボジアとベトナムで顕著に高く、対照的にミャンマーは2499ドル、インドネシア2200ドル、フィリピン818ドルと比較的低かった。

こうした技能実習生を取り巻く現状や、最近報道されている失踪したカンボジア人技能実習生の不法就労、今回の送り出し機関の停止処分などを受け、カンボジア政府には他国が既に実施している「実習生が送り出し機関に支払う仲介料の上限設定」や「研修費の徴収禁止」等の規制強化が求められるほか、当局の送り出し機関に対する指導監督体制の見直しも必要だ。

記者会見にて、小泉法務大臣は、「カンボジアと連携し、失踪者数の削減を図るための措置を実施した。これは制度の持続性に関わる重要な問題であり、引き続き真剣に取り組んでいく所存だ」と述べた。

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