(c)Phnom Penh Post
24日、アンコールデイリープロダクツ株式会社(Angkor Dairy Products Co.,Ltd.=ADP)はカンボジア国内で初となる牛乳製造工場としてプノンペン経済特区内で生産を開始した。同社は『アンコールミルク』を主力商品として国内デイリーユースをターゲットに商品展開を進める予定だと、プノンペンポスト紙が報じている。
2300万ドルをかけて建設された工場は、『ビナミルク』で知られるベトナムデイリープロダクト合資会社(Vietnam Dairy Product Joint-Stock Co,=VDP)とカンボジアのBPCトレーディング株式会社(BPC Trading Co., Ltd.)とのジョイントベンチャーである。
ADPの工場は3万平方メートルの敷地にドイツとデンマークから殺菌設備を、スウェーデンのテトラパック社からパッケージング設備を輸入しており、年間で1900万リットル分の牛乳、6400万カップ分のヨーグルトと8000万缶分のコンデンスミルクの生産能力がある。
商品ラインナップは、超高温殺菌されたUHT(ウルトラ・ハイ・テンパチャー)牛乳『アンコールミルク』以外に4フレーバーのヨーグルト、コンデンスミルクは『ベストカウ』『キャプテン』の2ブランドを、子供用牛乳として低温殺菌の『アンコールミルク・キッズ』を展開する予定だ。
ADPの49%株式を所有するBPCトレーディング社のブン・パット会長は、これまでもビナミルクのカンボジアにおける戦略的パートナーとしてカンボジアでの牛乳販売実績があり、既に16州18地区の販売代理店と提携している。
VDPのCOO兼ADPの会長を務めるハオ・アン氏は、昨年カンボジア市場で2500百万ドル分を販売しているが、今年末までに倍増させたいと意欲的だ。「現状、カンボジアのデイリーユース市場はベトナム市場よりも少ないが、若年層が多いため高い成長性が見込める。国内シェア15%は容易に到達できるだろう」と語った。
テトラパックの南アジア・東アジア・オセアニア地区を統括するマイケル・ザッカ氏は、米国とニュージーランドから生乳を、ベトナムからの粉乳を輸入することで新鋭のアンコールミルクに対抗する予定だが、「カンボジアのインフラ整備が進み経済が発展するにつれて、将来的には国内で乳牛から牛乳を調達できるようになる可能性がある」(ザッカ氏)とカンボジア国内での内製化に含みを持たせた。
VDPによると2015年は約3500万ドルの税引前利益を計上(前年比で28%増)し、総売上高は18億ドル(前年比14%増)に達したという。