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世界銀行は、エコツーリズムの事業開発におけるカンボジア政府の戦略は、包括的な指針が示されていないと指摘した。クメールタイムズが報じた。
これは同行の「カンボジアにおけるエコツーリズム開発の可能性」と題された報告書によると、保護地域(PA)でのエコツーリズム開発のための具体的な政策は存在しないとし、さらに、3つの重要な法律(PA法、土地法、コンセッション法)の重複や矛盾が、潜在的な投資家にとって非効率的で煩雑さを招き、開発の抑止力となっている可能性が高いという。
報告書では、「最も重要なことは、現在の政策がエコツーリズムへの民間セクターからの投資に対するインセンティブを生み出していない」とし、保護地域内の観光商品開発のプロセスは民間セクターにとって不明確であると報告されている。
さらに、比較的弱いビジネス環境下のカンボジア観光事業の競争力は、近隣諸国よりも低いことを示しており、2018年の世界経済フォーラムによる観光・旅行競争力指数はカンボジアを140カ国中98位にランク付けし、ビジネスのやりやすさに関連する指標でもカンボジアがより悪いスコアを記録したと報告している。なお、今年は190カ国中144位にランク付けされた。
カンボジアのエコツーリズム開発は、主にドナー機関、民間人および民間セクターが主導のため、政府機関と地元コミュニティとの間に距離が生まれ、監視規制が困難になる可能性がある。
世界銀行は、「外部支援及び資金調達への依存は、資金提供が停止したときにエコツーリズムプロジェクトが放棄されたり、大規模観光サイトに転換されたりする可能性もある」と言及した。
報告書によると、エコツーリズム関連のインフラ開発の計画は、環境への配慮をもって行われなければならないとし、「不十分な交通インフラでは、民間投資を引き付けることができず、持続可能な観光開発を妨げている。不十分な市場調査や観光サイトのマーケティング及びブランディング、エコツーリズムが提供するサービスの質の低さは別の課題である」と述べられている。
観光省広報官は、「エコツーリズム開発には限界があると認識しているが政府は開発を推進している」と述べ、さらに、「現在主にエコツーリズムに焦点を当てており、国内の観光コミュニティの発展のための計画に取り組んでいる。経済財政大臣が議長を務めるエコツーリズムチームがあり、セクターが円滑に発展するためには、各省庁の協力が必要だ」と付け加えた。
さらに、同省は国家エコツーリズム政策に加えて、政府はエコツーリズムに関する法律の策定準備しているとし、「観光地への道路接続や、特にサービスの質など、これらをサポートする他の設備には限界がある 」と付け加えた。