カンボジア観光省は今月16日にセミナーを開催し、より多くの日本人観光客を誘致し、2020年までにインバウンド客の50%増加という目標を達成するための議論をした。プノンペンポスト紙が報じた。
日本の昨年の国籍別総観光入国者数は19万3000人で第6位だった一方で、インバウンドの観光客数成長率はわずか0.3%と低調だった。
タオン・コン観光大臣は、日本人観光客数の目標達成に重要な役割を果たすのは、航空会社ANAによる東京-プノンペン間の直行便であるとの認識を示した。
タオン大臣は、「多くの日本人ビジネスマンは長い乗継時間に費やす時間が無いため、プノンペンへ渡航する快適さや利便性は直行便により格段に増すだろう」と述べた。
また他国の観光地と競争するため、観光商品の魅力や水準を増強するだけでなく、質のいいサービスの提供も必要だとの認識も示し、「現在我々は、観光地の清浄化と緑化に努めている」と話した。
タオン大臣はセミナーで、実際は現地のレストランや観光業者の意思に左右されるものの、カンボジア滞在中に日本円使用を許可することも視野に入れていると明かした。同様の提案が中国元についても出されている。
日本旅行業協会(JATA)海外旅行推進部副部長の保坂明彦氏は、「個人・家族向けの旅行パッケージの質向上に注力する必要がある」と話す。保坂氏によれば、日本人観光客の66.4%が新婚旅行、観光、スタディーツアーなどのレジャー目的で渡航しており、他16.3%はビジネス関連、残りは修学旅行や社会奉仕などが理由だ。
同氏はセミナー中で、観光戦略として主要観光地の衛生環境改善、インフラの発展のほか、国際的に認定された観光ガイド養成学校で日本語ガイドを養成することなどに言及した。