カンボジアに進出する日系企業のための
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2017年12月8日
カンボジア進出ガイド

【人材・コンサル】

214 カンボジアのHR・コンサル②(2017年11月発刊 ISSUE07より)

カンボジア人の日本語人材と英語人材 Cambodian Japanese-speaking and English-speaking workers



 2016年の日本語人材の給与相場(最終月給)は、日常会話レベルで367.2ドル、ビジネス会話レベルで762.6ドルだ。対前年度伸び率は日常会話レベルで2.2%、ビジネス会話レベルで7.7%と、これまでより伸び率は鈍化したものの、依然として日本語人材の給与は高い。
 2018年5月にはイオン2号店が開業し、多数の日系企業がテナントとして入居することが予想されることから、1号店の開業時に起きた日本語人材の需要の高まりが再び起きるだろう。

 また一方で、技能実習生としてカンボジア人が注目されており、首都プノンペンには日本語学校が増えていることから、カンボジア国内では日本語教師としての需要が、また日本側では通訳者としての需要がある。こうしたカンボジア内外からの日本語人材の需要の高まりを受け、日本語人材の給料相場は一段と引き上がる可能性がある。



 JICAの協力により設立され、民間セクター開発を促進するための人材育成とネットワーキングの拠点となっている施設、CJCC(カンボジア日本人材開発センター)の大西義史氏は、「簡単に日本語人材は生まれないと思います。もちろん、素養がある方を送り出すことは可能ですが、はじめから大きな期待はできません。それよりも、自分で考えること、責任を全うすること。逃げない、ごまかさない、隠さないをきっちり守ること、ビジョンを一生懸命具現化しようとすることが大事で、そこに加えて、日本語のコミュニケーションが可能な人を育てたいと思っています。日本式経営とは、従業員を大切にし、尊重する経営です。人を育てるには権限移譲だけでは無く見守り、サポートする事が大切だと考えています」と話す。




 日本語人材はその供給不足から、英語人材と比較して賃金に倍の開きがあるといわれているとおり、双方のビジネス会話レベルの人材の平均希望月給には大きな開きがある。一方で、双方の日常会話レベルの人材では、顕著な違いは見受けられなかった。なお、年齢(横軸)によっては客体数が少ないことによって不適正な曲線が一部見られるが、年齢を社会経験年数と捉えた場合、年数が多いほど希望月給額は高くなる。

 また、この数値は日本語と英語以外の言語が話せる客体は除外しているため、中国語やタイ語などの第三言語の能力を有する人材であれば、さらに高額になることが予想される。

現地採用外国人 Foreigner Local Employees

 カンボジア人のマネージャー職や技術職の月給相場が高止まりする中、費用対効果の点で注目されるのが現地採用外国人の存在だ。外国人にとっての生活環境も急速に向上するなか、彼らは自らカンボジアに身を投じて働くことを希望し、想い入れも強い。また、一方でスタートアップ企業の場合、事業立ち上げにおける初期段階において外国人を雇いたいという声がある。

 とりわけ、歪な需給バランスの中で年々高騰する日本語人材の人件費を鑑みると、日本人人材に注目しているのは日本企業だけではない。現地の人材紹介会社は、カンボジア人の紹介だけでなく、外国人の紹介を行うことが可能だ。

 CDLの小柳氏は、「現地採用の日本人求職者の特徴として、かつて旅行で訪れた、学生時代にボランティア活動をしていた等、カンボジアという土地に思い入れがありカンボジアでの就職を希望されるケースが多く見られます。また、アジアで既に働いている方がアジア地域内での転職を考える際、ビザが取りやすいという理由からカンボジア就職を検討される場合が、特にここ最近で多くなっていると感じています」と語る。

 外国人求職者の場合、母国での就職経験はありながらもカンボジアに来たことが無いままカンボジア就職を希望される者もおり、後悔を生まないよう求職者には求人の給料、保険、手当といった情報は細かく共有する必要がある。

 CDLの小柳氏は、「少人数で働くというケースも多いにあります。そのため職場の人との人間関係は、働き続ける上でより重要な要素となり得ます。弊社としてはスカイプ等を通して価値観が合うか合わないか、企業の色を把握しているか等のチェックを行い、会社に関しての情報を細かく伝えるようにしています」と語る。


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