カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック　WEB版

人材の募集方法　Approaches to recruitment

　求人方法にはラジオ、新聞、フェイスブックや求人サイトの利用、知人やスタッフからの紹介などの方法がある。募集に際し時間的な余裕がある場合には、CJCC（カンボジア日本人材開発センター）が開催する就職説明会に有料で参加することもできる。

　募集や面接の作業には多大な労力と時間的コストを費やすため、人材紹介会社にアウトソースすることも検討したい。報酬は採用した人材の月給の2か月分。採用が決定して初めて課金される成果報酬制が主流で、紹介された人材が早期退職した場合は、手数料の返金される。返金制度が無い代わりに代替候補者の紹介を行う業者もあるが、代替候補者が早期退職者と同等のスキルや経験、月給であることは現実的にありえず、ましてや代替人材が見つからない場合、他の方法で見つかった場合には手数料が返金されない。よって、そのような業者に対しては一旦手数料を返金してもらい、その後改めて代替候補者の紹介を受けられるよう交渉シておいたほうが良いだろう。



　カンボジア人・日本人の人材紹介に多数の実績と経験を持つ最大手企業、クリエイティブ・ダイアモンド・リンクス（CDL）の鳴海貴紀氏は、「顧客が望んでいるのは、より実践的なサポートです。顧客が来るのを待ち、求人を受理して人材を紹介し、あとは幸運を祈るだけ、そして請求。このようなやり方では、顧客のビジネスの課題解決はできません。CDLは、求人募集の動機、業界を取り巻く環境の理解はもちろん、その先を予測しながら的確な人材をご紹介しています。また、紹介した後も定着促進のためのフォローアップも必ず実施しています」と語る。

アウトソーシング（人材派遣や業務請負）　Outsourcing

　即戦力となる人材が見つかり難いカンボジアの場合、社内における人材育成は不可避だが、人材育成コストの回収も考慮すると、長期の勤続期間が前提となる。しかし、低賃金な職種ほど離職率が高い傾向があり、そうした職種の従業員数が多い会社の解決策として人材派遣の利用がある。また、カンボジアに法人が無いケースや現地責任者が居ないケース、勤怠管理を遠隔で行えないケースなどは、そうした業務をまとめて依頼する（いわゆる請負）ことも可能だ。



　CDLの渡邊吉子氏は、「ホワイトカラーの募集をアウトソースする場合は人材紹介サービスが適していますが、離職率の高い特定の職種の場合は採用コストの面からみて人材派遣サービスが適しています」と語る。従業員の採用・維持・育成を専属部署で内製化するのも良いが、本業に注力するため外注の道も一考の余地があるだろう。