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カンボジア国内で第4位のシェアを誇るマイクロファイナンス機関、ハッタカクセカーのプレジデント・CEOは1月26日、同マイクロファイナンス機関がタイの大手銀行に買収されることを明らかにした。
27日にはタイのアユタヤ銀行はタイ証券取引所に対し、同行がハッタカクセカーから登録及び発行済みの株式を取得することで合意し、株主や関係監督機関からの承認待ちであると通知した。
ハッタカクセカーのプレジデント・CEOであるホウ・イエン・トン氏は、アユタヤ銀行と合意に至ったことを認め、ハッタカクセカーの構造や運用は変わらないことを強調した。ハッタカクセカーは昨年12月3億6300万ドルの債券を発行し、11万人以上の利用者を持つ。
「ハッタカクセカーの構造は同じですし、マネジメントチームも同じです。何も変わりません。今までどおりのビジョンとミッションで顧客に寄り添い、運用します」とホウ氏は話す。
地元メディアは28日、ホウ氏はこの合意に1億4千万から5千万ドルの価値があるとしていると報じたが、同氏はそのような数字は示していないとこれを否定し、売り上げが確定していない今どのような推計も尚早であると述べた。
さらに同氏は、新しい株主による完全な商業銀行に移行するという発想はあったものの、これまでどおりマイクロファイナンスサービスを供給し続けるとして、カンボジア中央銀行に対し何の業態変更の申請もしていないと主張した。
また同氏はハッタカクセカーが何も変わらないことを強調する一方で、今回のアユタヤ銀行による買収によってハッタカクセカーはさらに広範囲のサービスやローンを提供できるようになると期待を述べ、「具体的には中堅・中小企業へのファイナンスやリース、消費者金融、住宅ローンやインターネットバンキング、モバイルバンキングも含まれるでしょう」と語った。
ANZロイヤル銀行のCEO、グラン・ナッキー氏は、カンボジアの上位マイクロファイナンス機関がこれまでの可能性を超えて成長できることを証明するものだと指摘する。
「もしマイクロファイナンス機関にとって商業銀行の領域に接近する話題が出るとすれば、それは上位マイクロファイナンス機関が拡大を続け、新たな資本や投資、テクノロジーを獲得するということを意味します。ハッタカクセカーはその一つの方法である、新たな資本の獲得に成功したということです」と、ナッキー氏は述べるとともに、上位マイクロファイナンス機関と商業銀行との違いが徐々に小さくなっていくだろうと話した。
また、「上位マイクロファイナンス機関が対象とする顧客の多様化に伴い、平均的な借入金額が商業銀行で借りられる最小金額に近づき始めています」と同氏は述べ、これが上位マイクロファイナンス機関の「考えに考え抜いた戦略」なのだろうと加えた。
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