国際通貨基金(IMF)の報告書によると、10年前の約96%から減少したとはいえ、昨年8月には外貨預金が全預金の94%以上を占めており、カンボジア経済のドル化が高いままだと指摘している。クメールタイムズが報じた。
民間部門に対する外貨建て債権は債権総額の約99%を占め、2019年の同月の約97%から上昇した。
ムーディーズのアシスタント・ヴァイス・プレジデント/アナリストのレバカ・タン氏は、「ドル化経済からの脱却ペースは緩やかなものになる可能性が高く、ドルの優位性を減衰させる可能性は低い」と述べている。
またIMFは、「完全なドル化に近い状況下で金融の深化が継続していることは、外貨預金が引き続き増加する可能性が高いことを示唆しているが、それでもカンボジア当局は依然として母国通貨リエルの利用拡大を促進するための政策を実施することに完全にコミットしている」と述べている。
ムーディーズは、ドル安が長期化した場合、日本以外のアジアの借り手には恩恵をもたらす可能性が高いが、その影響は限定的だとしている。
レバカ氏は、「ドル安が長期化した場合、アジアの資産が比較的魅力的になるにつれて、ドル建て債務の債務返済コストが削減され、日本を除くアジアの借り手に恩恵をもたらす可能性が高いが、パンデミックによる財政指標の悪化は、潜在的な利益を相殺する以上のものであり、全体的な影響は限定的だ」と述べている。