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アンコール遺跡群の発券管理を行うアンコール機関が、8月5日、外国人のアンコールワットを含むアンコール遺跡群の入場料をほぼ倍額にすると発表した。発表によると適用は2017年2月1日からで、1日パスは20ドルから37ドルに、3日間パスは40ドルから62ドルに、1週間パスは60ドルから72ドルになる。
カンボジア観光連盟の事務局長ホー・ワンディ氏は、観光産業関係者へ十分な説明が無かったとアンコール機関を非難し、「価格上昇にショックを受けた」と述べ、アンコールワットの管理を担当する政府機関アプサラ当局の広報官も、チケット価格の上昇について知らなかったと話している。
官民観光ワーキンググループのルー・メン議長は、「政府がアンコールワットのチケット価格を倍増するなら、例えば、観光地周辺の美化清掃活動など、観光地整備のアクションプランを提供すべきだ」と述べた。
チケット販売額は、今年上半期で前年同期比1.7%増の3100万ドル、外国人観光客数は、0.7%増の約110万人を突破している。
アンコール機関の発表では、チケット価格の値上げの目的や理由、観光産業への影響についての説明は無かったが、各チケットから2ドルずつ、無料治療を提供するスイス系の小児病院に寄付されるという。
アンコール遺跡群の入場料金は他の世界遺産に比べて比較的安価だと言う声もあり、例えば、1日パスの37ドルは、ペルーのマチュピチュと同等で、ヨルダンのペトラ遺跡の約半額だ。しかし、インドネシのアボロブドゥールの2倍、エジプトのギザピラミッドの4倍、中国の万里の長城の5倍にあたる。
野党カンボジア救国党の議員は、「チケット価格の急激な上昇は、訪問者数の減少に繋がる」と述べ、カンボジアの経済発展における、観光の重要性を強調した。
一方、カンボジア旅行代理店協会(CATA)の事務局長は、「チケット価格改定による外国人観光客数への影響は多くはない」と述べ、「アンコールワットは世界遺産であり、それを見たいと思っている人も多い」と話した。