2018年1月22日
――御社について教えてください。
山口 渉(以下、山口) 富士ゼロックスは、1962年に英国ランクゼロックスと富士写真フイルム(当時)の合弁事業として設立され今年で55周年を迎えました。現在の株式比率は富士フィルムホールディングスが75%、米国ゼロックスコーポレーションが25%となっています。
弊社はゼロックスコーポレーションとの間で販売担当地区を分けています。富士ゼロックスは日本とアジア・パシフィックを担当しており、14の国と地域で直轄販売拠点を展開しています。フィリピン、マレーシア、タイは拠点開設50周年を迎えました。その中で最も新しい支店が2年前に開設されたカンボジア支店です。
カンボジアでの主たるビジネス領域は以下の4つです。
①まず、弊社の主力商品である複合機の販売です。複合機はコピー、ファックス、プリンター、スキャンなどの機能が一台に集約された商品で、日本では既におなじみです。 ②次に卓上プリンターです。弊社が取り扱っているのはレーザープリンターというトナーを使ったタイプのものです。最近卓上プリンターも複合化が進んでいます。 ③またそうしたハードウエアを核にして、オフィス業務の効率化やレスペーパー化を図るためのソフトウエアやソリューションの提供を行い、ワークフロー改善による生産性の向上のご提案も始めました。 ④最後がデジタル印刷です。東南アジア諸国ではデジタル印刷の需要が大幅に伸びており、カンボジアでも支店開設当初よりデジタル印刷市場の開拓を積極的に行っています。
カンボジア支店が開設されるずっと前の2001年から、販売代理店を通じてハードウェア(複合機と卓上プリンター)の販売を行って参りました。ですので弊社の製品を販売代理店を通じて既にご導入戴いている日系企業様も多数いらっしゃると思います。大変有難うございます。現在は販売代理店の営業・サービス教育に力を入れ、スキルアップを通じてお客様の満足度を高めていく活動を一緒に展開しています。
――インタビューを実施した1年前から、カンボジアにおいてオフィス機器に対する需要に変化は見られますか?
山口 急激ではありませんが、需要は着実に広がっていると思います。複合機、卓上プリンター、デジタル印刷機のいずれもで販売が増加している状況です。
――カンボジアでのオフィス機器の普及状況について教えてください。
山口 弊社はメーカーの直轄営業拠点として新品(中古機ではなく)の販売を行っています。BtoB市場向けのラインナップを取り揃えておりますので、主な対象市場は大別すると官公庁、外資系企業、ローカル企業の3つになると考えています。
官公庁は弊社の製品をご購入戴ける可能性のある最も大きな市場になります。外資系企業にとって参入障壁が高いのが現状で、販売代理店と協業して市場開拓を進めています。ローカル企業は中古機のレンタル方式が主流となっており、新品の購入をご検討戴ける顧客層は今のところ限定的です。ただ、より高い品質とアフターサービスを求められるお客様は確実に増えてきています。今後ローカル市場でのビジネスチャンスはますます増えていくと考えています。目下のところ日系企業を含めた外資系企業が弊社の重要な顧客となっています。特に日系企業様には日頃より大変お世話になっており、お陰様で複合機のシェアはこの2年間でNo.1*となりました。カンボジア支店の直販・直サービスを高くご評価戴けた結果だと、大変有難く感じています。今後もご満足の戴けるサービスをご提供できるよう一層努力して参ります。
*弊社独自調査
――その他、この業界の変化があれば教えてください。
山口 弊社製品に関してですが、文書管理、ファイル共有といったカンボジアでも手ごろに始められ複合機との連携で効果の期待できる簡易ソリューションのご紹介を日々行っていることもあり、この分野のソフトウエアの販売が着実に増えてきています。日本でも既にお馴染みのソフトウエア(DocuWorks)ですが、ご紹介をさせて戴く前に、お客様からお問い合わせを頂戴することもあります。
また、プリント管理用の簡易ソリューションも好評です。パスワードや既にお使いのIDカードを利用して出力枚数を管理・制限したり、外部の使用者に関して課金したりする用途でご利用できます。
私自身も経験がありますが、PCからプリント指示をかけたのち、印刷物をそのままプリンターに放置してしまうということはございませんか?人事資料や財務資料など社内でも関係のない従業員に見せたくない資料や外部向けの大切な情報がプリントされた紙から漏れてしまうというケースが実際には多く発生しているという調査会社の結果もあります。こうしたプリント管理機能はセキュリティの面からも極めて効果的です。
複合機やプリンターを複数台数ご使用のお客様では、本格的なプリント管理用のソフトウエアをご導入戴くケースが増えてきました。日本や他のアジア諸国では既に一般的になっていますが、今後カンボジアでも企業規模が大きくなることで、ますますニーズは高まってくると思います。
(次回へ続く)