カンボジアに進出する日系企業のための
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業界別インタビュー

法律と運用状況を見極めサポートする日系コンサルティング事務所[法務・税務・会計]薮本雄登

法務・税務・会計

JBLメコン JBL Mekong
CEO: 薮本 雄登 Yabumoto Yuto
進出から撤退まで、カンボジアと日本を繋ぐ新興メコン法務のパイオニアとして、常駐日本人弁護士がカンボジア現地弁護士と連携の上、法務サービスを行っている日系法務コンサルティング事務所のJBLメコン。カンボジアに進出してくる数多くの日系企業をサポートしている。CEOの薮本雄登氏に、カンボジアの日系企業と法務状況について伺った。
カンボジアでの業務概要

JBL メコンは、在カンボジア日本国大使館やカンボジアに進出する中規模、大手日系企業数十社と顧問契約をしています。社内の日本人弁護士、カンボジア人弁護士と協力しながら、日系企業、現地企業やカンボジア当局との調整や交渉などの実務に携わっています。企業勤めの経験がなかったので、最初は見積もりや請求書の出し方すら分かりませんでしたが、現地駐在員の方々に助けられ、公的機関から法律翻訳の仕事を請け負うなどして、徐々に信用度、知名度を上げてきた経緯があります。

日本人弁護士の役割は、お客様に対して日本法との比較を説明できることと、現地弁護士への指導です。民法の場合、日本人法律家の方が詳しいですし、裁判所における弁論行為やリーガルドキュメントの作成はカンボジア法の弁護士にしかできません。しかし、現地弁護士の知識レベルが十分でないケースが多いため、それらをコントロールする必要があります。また、親会社への説明は日本人の法律家が行うので、日本の親会社や稟議システムを理解していることは担当者にとっては有難いのではないでしょうか。

未開の地、新興メコン地域のパイオニアを目指す

タイやベトナムへの進出も検討した中でカンボジアを選んだのは、「誰も触っていない」手付かずの国だったからです。これに加え、ラオスにも拠点を設けてビジネスを展開しております。カンボジアや新興メコン諸国はまだまだ未開拓。国が若いので若い人にチャンスがあるし、日本では既得権を崩すことが困難な業界でも、パイオニアとして貢献できるのではと考えています。

カンボジア民法は、日本の支援を受けて11年12月に施行されましたが、適切な運用はこれからになります。実際に、現地の若手法律家と協力しながら法律を適用することで、法律に命を吹き込み、法治国家としてのカンボジアを後押ししたいのと、日本が法整備を支援した国でもあり、今後、日本の法律人材や法律サービスの輸出にも貢献したいと考えています。
そのためには常に政治、司法、社会情勢を理解し、現地に根付いた各国弁護士のネットワーク化を目指さなくてはなりません。現在は東南アジアのハブであるシンガポールなどから一部の業務を受託するケースが多いのですが、将来はカンボジアに進出する日本企業の本体からも積極的に仕事を受けたいと考えているので、今は下積みと仲間探しの時期と割り切っています。

東南アジアの近隣諸国と比較してもカンボジアの法律は整備されている一方、法律と運用が全然違うという点に注意が必要です。しっかりと認識して、物事に臨まなければなりませんし、それに収斂されると思います。それが我々にとってのビジネスポイントですし、そこに価値があります。いろんな意味で、私たちは企業の盾になるということです。私たちは、東南アジアで成功する企業を支援すべく、より専門的な法務コンサルティングを展開したいと考えており、「新興メコンの法律家」を目指しています。

増える製造業支援

カンボジアで3年ほど業務に従事し、日系企業が東南アジアに進出することは、現地にとって良いのか悪いのかという疑問を抱きましたが、投資案件により、カンボジアへのメリットは様々です。カンボジアへの長期的な貢献が見込めたことにより、先輩達が作り上げた世界に通用する製造業に関わりたいという思いをより一層強くしました。
顧問契約をしている企業のうち、製造業は約半分ほど。首都のプノンペン経済特区(PPSEZ)やバベットSEZに入居する縫製工場などを相手に、土地賃貸や建設契約書、労務関係書面や社内稟議をとるための根拠書類作りを担っており、今後はもっと製造業向けの仕事を増やす考えでいます。

実際、工場の労務関連業務から得られる収益は少ないのですが、それでも製造業には現地スタッフの教育や技術移転、雇用創出を考える「愛のある人」が多いと感じています。伝統的な日本のモノ作りを引き継ぎ、東南アジアでモノ作りに取り組む20~30代の若い世代も増えているようです。

カンボジアの製造業は現在、縫製業が大半を占めています。低賃金が支えていますが、賃金上昇と並行して本格的な工業化が不可欠です。日本の中小企業にとってはチャンスですが、カンボジアでは裾野産業の進出、展開を支える法制度が整っていないという現状があることを忘れてはいけません。日系企業の関心が高まり、今後、競合増加は必至ですが、資格よりも現地に根付いた知識や経験、ネットワーク、何より泥臭さとガッツが大切だと考えます。自分の仕事場である新興メコン地域で、「新興メコンの法律家」を目指したいと思います。


JBLメコン JBL Mekong
事業内容:各種申請業務代行、契約書関連業務、法律顧問およびコーディネーション業務
URL: http://www.jblcambodia.com/

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