カンボジアに進出する日系企業のための
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業界別インタビュー

生産の最前線で、一貫物流サービスを実現

運輸・物流

大森&トーマス・ロジスティックサービス Omori & Tomas Logistic Service
所長: 菊谷 周平 Shuhei Kikutani
大森廻漕店は、明治6年創業の歴史ある物流会社で、検品事業も上海などでの実績がある。カンボジアでは、プノンペンドライポート内に検品センターを敷設。検品作業全般に加え、通関から船積手続きなど、一切の輸出手続きを検品所で行うことができるカンボジア最初の物流会社、大森&トーマスロジスティックサービス。所長の菊谷周平氏にカンボジアの物流について伺った。
物流・検品のワンストップサービスを提供

大森廻漕店は、明治6年創業の歴史ある物流会社で、検品事業も上海などでの実績があります。海外の事業所として、上海や青島、香港などでは展開していましたが、数年前から東南アジアでの拠点作りに注力しています。

近年、コストや人材確保の面から、縫製工場などが中国からベトナム、カンボジアへと拡散しており、物流業界でも中国のボリュームが減り、アジア圏に拡散されていました。そんな中、トーマスインターナショナルという豊富な経験を持つパートナーと巡り合い、2012年、カンボジアに検品所をつくりました。検品と、それに係る物流もメインとなる事業です。当時、まだ日系の同業他社はほとんどなく、多くの経験を積み、カンボジアの事情にも精通しています。

他社との大きな違いは、検品と物流の両方を請け負うことができる点です。この二つの事業を展開している企業は他にはないと思います。さらに、税関機能を有するドライポート内にある検品所という点も、他社にない強みです。これにより、通関手続きや船積手続きなど、一切の輸出手続きを行うことができます。発展途上にあるカンボジアでの手続きには、オリジナルの書類が必要になり、書類を提出しては訂正し、その間に時間だけが過ぎていくという事態が多く起こります。顧客にとって、コストだけでなく、時間も短縮することができるのは大きなメリットとなると考えます。

カンボジア物流の、現在とこれから

ここ数年、日本からの進出企業が増えており、以前よりもカンボジアが注目されていると言えるでしょう。縫製業に関して言えば、カンボジアの市場は、もともと欧米向けに発展してきており、多品種小ロット、しかも品質には厳しいという、日本のオーダーには、あまり対応していませんでしたが、日本からの進出企業が多くなっていることもあり、徐々に対応できる工場が増えています。
しかしながら、カンボジアでは、しっかりと生産計画を立て、管理し、数ヶ月先の商品をつくり・・・としなければなりません。

なぜならば、工場が計画通りに生産することが難しかったり、品質に問題があったり、とさまざまなハプニングが起きる可能性が高いからです。また、物流面においても、プノンペンから日本向けに貨物を輸出する場合、ベトナムやシンガポールを経由することから、日本到着まで2週間ほど必要となるからです。今後進出される日本企業様には、日本企業との取引実績があり、緊急の対応に慣れている中国とは、違う国なのだと認識することが必要ではないかと考えます。

物流事情を他国と比較した場合、カンボジアならではの特徴や違いの一つは、カンボジアの法制度です。
輸出入手続きに関税とは別に、カムコントロールという商業省傘下の検査機関に貨物検査料を支払い、手続きをする必要があります。この場合も、カンボジアの法制度が完全に整備されておらず、解釈の違いが生まれたりすることがありますが、根気強く説得して理解していただくしかありません。

また、カンボジアで生産された製品に関して、日本への輸入時にGSPという特恵関税が使えることがあります。日本で製品を輸入する際に使用する原産地証明書の取得条件も、タイやベトナムと比較した場合、容易であると言えます。
カンボジアを含む東南アジア圏を見れば、タイ・ベトナム・カンボジアという三国をまたがる、いわゆる南部経済回廊の陸上輸送が、今後さらに注目されていくでしょう。陸上輸送をすることによって、日本までのトータルで見た輸送日数が短縮できるようになると期待されるからです。

しかしながら、陸上輸送のマーケットが未だ成熟してないため、海上輸送と比較した場合、コストが高いというのが現状です。各国の法制度も整備されておらず、まだいくつかの障害はある状況ですが、大森&トーマスとしては、今後この陸上輸送を強化していきたいと考えています。


大森&トーマス・ロジスティックサービス Omori & Tomas Logistic Service
事業内容:総合物流サービス、倉庫保管、検品、検針
URL: http://www.omori-kaisoten.jp

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