2018年2月12日
(前回の続き)
――カンボジアで安心した医療サービスを提供するために、貴クリニックが重視している点は何でしょうか?
荒木 良守(以下、荒木) カンボジアでは、人々が持つ医療情報が氾濫しており、情報の選択に迷うことカンボジア人が多いです。
カンボジアは薬の購入が簡単で、病院も多くあります。しかしカンボジア経営、タイ経営といったあらゆる病院に通い、情報が混乱してしまうといったケースが多くあります。
また自由に薬が購入できる、インターネットが普及していることもあり、ネットの情報に依拠し自分で症状を判断、医師の診断無しに薬局で薬を購入してしまうというカンボジア人も多いです。カンボジアでは、お金があれば薬、医療機関へのアクセスは簡単ですが、その点、情報がまとまらない原因にもなっています。
そのため、当クリニック、そして私自身、正しい診断を行うということはもちろんですが、患者が持つ雑多な知識の整理を行うことを重要視し、患者さんの疾病と治療法の理解に励むことを一番に心がけています。
――カンボジアでは、病院によって診断内容が異なることがよくあるのですか?
荒木 カンボジアにおける医師の技量の差は、日本よりも多いように感じます。また、日本の医師の方がより詳しく説明しているようにも感じます。そういったことから、病院によって診断が異なる、その結果、患者が持つ情報が氾濫してしまうという事態が発生します。
カンボジアは公的保険が充実していないこともあり、日本のように1日の患者数は多くありません。その為、1人の患者に時間を掛ける事が出来るので、当クリニックでは1人1人にしっかりと説明を行うようにしています。そうすると患者もしっかり理解し、その後当病院に来てくれるようになりますね。
――貴クリニックは、カンボジアの医療業界で今後、どんな役割を担っていきたいと考えますか?
荒木 当クリニックのサービスは全診療科に亘っている訳ではありません。しかし、各分野の専門医を備えており、スペシャリティを駆使し各々の医療レベルを上げていければと思っています。
また国が発展するに連れて自然と医療機関のレベルも上がると思うので、患者サイドの医療レベルの向上に寄与していきたいと思っています。そのためには、新しい医療技術の導入、患者の教育・啓蒙活動、氾濫している医療情報の整理などに努めていきたいと思います。
――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
荒木 当クリニックは、カンボジアの中心地の中でもボンケンコン地区という比較的便利な場所に位置しています。また、海外ということで健康面が心配になることもあるとは思いますが、日本人医師で対応可能です。
ぜひ、安心してお気軽に診断に来てください。(取材日:2017年8月)