2014年12月17日
競合関係は少し落ち着いたような気はしていますが、主要な会社は3社です。ドイツやノルウェー、イギリスなど、他の多くの国々のように経済が大きくなり、顧客の購買力が増すと、通信会社は3社に絞られてきます。日本もそうですね。
主な理由の一つが、現在の4Gのような(5Gは2020年頃に実用化される見込みです)最先端テクノロジーというのは、多くの投資が必要であり、規模の経済が必要となってくるからです。それにより利用者は、このような技術をより安価で利用可能になるのです。
通信業界は、費用の面ではインフラが起きますが、売上の面ではインフラが起きないという数少ない業界の一つだと思います。このように投資の規模を必要とする業界なので、主要なプレイヤーは3社ほどに絞られてくるのです。ですから、各社の統合はカンボジアでも近いうちに起こるのではないでしょうか。
そのような中でスマートは現在でも成長を続けており、今年の第一四半期の売上は、去年の第四四半期の売上から7%増加しました。ここ数ヶ月も成長を続けており、将来的にも成長の見込みです。2013年、2014年には毎年約1500万ドルの再投資を行い、また来年も行う予定です。投資額のほとんどがデータネットワーク、つまり3Gと4Gに充てられています。現在、プノンペン全体に4Gの回線を導入し、特定の場所でご利用いただくことができるようになりました。お客様からもとてもご好評いただいています。
スマートフォンだけでなく、タブレットデバイスなどでも30、40mbpsという超スピードをご利用いただけます。You tubeでHD動画を見るのも、待機時間無しで可能。とてもすばらしい技術なので、これからはより多くのエリアでもご利用いただけるよう準備中です。まずは、シェムリアップ、シアヌークビル、バッタンバン、コンポンチャムに4Gを導入していこうと考えています。
3Gに関しては、現在ではプノンペンはもちろん主要地方都市、主要道付近ではご利用になれますが、少し道を外れると使えなくなるところがあります。このような現状から、どこに行っても3Gが使えるような状態にしていきたいです。
ついでに申しますと、インターネットのスピード指標を発表しているooklaの調査によれば、カンボジアで利用できるインターネットの平均スピードはマレーシアよりも早いという結果が出ています。ですからカンボジアの通信会社は、唯一4Gを提供しているSmartは特にですが、東南アジアの周辺国と比べても、(もちろんシンガポールは除いてですが)十分に競争出来るだけの力を持っていると思っています。
Facebookはカンボジアで最も利用されているサービスの一つです。他には何も使わずに、Facebookだけ使う方々が多いです。スマートフォンを持っている方は問題なくFacebookをご利用になれますが、スマートフォンを持ってない人でも実はSmartであればFacebookを使うことができるのです。どんな携帯電話でも、近況をポストしたり、ニュースフィードを読んだり、メッセージを交換したり、SMSやUSSDを使ってFacebookにアクセスすることができるのです。写真はまだ見ることができませんが、これははじめの一歩だと考えています。
もうひとつは、Facebookに登録するのにメールアドレスの代わりに携帯電話番号を用いればいいということです。多くのカンボジア人はメールを使わないか、持っていませんから。
また、Smartは保険代理店でもあり、Forteの保険を扱っています。個人事故保険を扱っており、そのご利用には1通のSMSを送っていただければ大丈夫です。“2500”にSMSを送っていただき、生年月日と氏名を登録すると、これで$2500までカバーする保険への加入は終了。
その後、任意で保障金額を変更することも可能です。料金は2セント/日となっています。実際のオペレーションについてはForteが担当します。SMSによって保険番号が発行されるので、有事の際には、それをForteに持って行っていただければ対応して頂けます。このほか、ご質問などはSmart、Forteの両コールセンターでご対応しています。
この保険の利点は、2点あります。まず1点目は店頭に赴かなくてよいところです。保険の支店は主に、プノンペン、バッタンバン、シアヌークビルに限られます。ですから、店頭に赴く必要がないことで、地方の方でも保険をご利用いただけるのです。2点目は、支払いが日割りであることです。普通であれば、事故保険は1年契約で一括払いです。
しかし、この保険の場合、日に2セントを支払うことができれば、年間$7.2で保険をご利用いただくことができます。ですから、地方に住んでいる農家の方や、工場労働者の方々にもお使いいただける保険です。保険への参入はこれが初めてになりますが、今後は別のパッケージも提供していく予定です。姉妹会社がスリランカで同じ商品を提供しており、初年で30万人の方々にご利用頂きました。
将来は疑いようもなくモバイルインターネットの時代でしょう。今年上半期にカンボジアで販売された携帯電話の55%がスマートフォンでした。データ通信も都市部だけでなく、地方部にも広げていく必要があります。二つ目に大事なものとしてはコンテンツです。もし、通信が充実したらコンテンツも整えなくてはなりません。これについては、また次回にでも詳しくお話しましょう。
日本でこれまで4GLTEのスピードでインターネットをしていた方々にとって、Smartは唯一の選択肢だと思います。ぜひ、日本の方々にご利用いただきたいですね。(取材日/2014年7月)