2016年12月5日
(前回の続き)
―――スマートが取り組んでいる社会的課題について、もっと教えてください
トーマス・ハント(以下、ハント) 我々は言うまでもなく商業的な存在で、株主がいて、市場での利益獲得と成功を求められます。そして我々は成功者です。だからこそ、CSRを推進すると言って良いでしょう。私が思うに、通信会社というのはその存在からして、既に社会的課題を抱えているのではないでしょうか。人々に通信を提供するというのは、教育や医療、ビジネス、社会開発に関わるということですから。
スマートはCSR推進において教育・環境・コミュニティーサポートの3本柱を立て、かなりの額を投資しています。特に教育には力を入れていて、UNESCOとカンボジア教育省のパートナーです。カンボジアでは約200~400万人にリテラシーが無いと言われているんですよ。我々は大人を学びの場に戻し、読み書きを教えるプログラムを立ち上げました。昨年は9万2000人を教え、うち6万6000人がリテラシー能力試験に合格しました。
他には現在、様々な理由で退学してしまった女の子を学校に戻す取り組みについて協議しているところです。また、移動図書館事業をしているフランス系NGO団体シパーと提携し、人々に字を読む機会を提供しています。私は、人生における彼ら彼女らの困難を、もっと光りある方へ導きたいと思っています。
社会的課題はとても多くて全てを解決することはできませんが、社会の発展を確実にするために貢献していきたいです。また、利益追求のみを目的としない会社が増えていくことにも期待します。
―――カンボジアで良質なISPまたはMSPを探すには、何に留意すべきでしょうか
ハント 検討要素は色々ですが、ISPに関してはやはり4Gは決定的な要素だと思います。次に値ごろ感、そしてブランドですね。MSPに関しては、4Gに加えてネットワーク規模が重要です。
魅力的な広告は多いですが、全てが真実ではありません。最終的には信用の問題で利用者が決めることですが、口コミも重要です。スマートは複数の利用者満足度調査で、毎年高い満足度を得ています。各要素を検討してみると、贔屓目で見ているとはいえ、私にはスマート以外の選択肢はありませんね(笑)
―――日本人投資家、日系企業、日本人ユーザーへコメントをお願いします
ハント 通信インフラの観点から言って、現在のカンボジアはすでに後発途上国ではありません。日本ほどではないかもしれませんが、ベトナムやタイと比較すれば同等もしくはそれ以上の発展レベルです。カンボジアでは4Gが広範囲かつ十分手の届く価格で利用可能ですが、ベトナムには4Gはありませんし、タイでは昨年導入されたばかりです。実際に来てみれば実感すると思います。通信インフラや質、サービス内容が良いので、ビジネスにもカンボジアは適しています。
私ももちろん日本人投資家を歓迎しています。ポストペイドサービスやMtoMサービスPBXサービスなど法人向けプランもあり、各々に適したサービスを提供できますので、ぜひスマートをご利用いただきたいと思います。(取材日2016年8月)