2015年1月28日
チャイナプラスワン、そして日本は少子高齢化ということもあり、ASEAN進出を考えました。2014年3月期にタイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン)に進出しており、カンボジアを含め、今期はミャンマーへも進出。今後もASEANにおいては出店を加速していきます。
日本国内はもちろんこれからも重要な市場ではありますが、今後収益を上げようとすると、都市部のストックを急速に増やす必要があります。しかし、そこには限界があるため、日系企業の多く進出する東南アジアへの活路を見出し、その日系企業と国内の法人営業部と連携してASEANでの賃貸事業を拡大させていきたいと考えています。
レオパレス21は、上場企業の76%が寮や社宅、研修などに利用してくださっています。そのお客様がカンボジア進出を考えるとき、検討段階からご相談に乗ることができるのです。風上でキャッチせねばならず、現地で待っているのでは遅いのです。
カンボジアでは、製造業やサービス業のお客さまが中心になると思います。いずれはサービスアパートやコンドミニアムの開発や運営を考えています。日本国内でも数多くの物件を手がけていますが、物件管理にはオペレーションが最重要となります。しかし弊社ではすでに確立しており、韓国でもテスト済みです。
海外進出する日系企業に対するサービスの強みや特長として、すでに日本国内55万戸にもおよぶ物件管理を一社でオペレーションしています。日常的なオペレーションの積み上げは確立しており、海外に進出しても、現地の従業員を雇用してビジネスをするのに、特に問題はないと思料しています。
実際に韓国でそのテストをしていますが、99%は日本で実施しているオペレーションで行えております。残る1%は、法律のようにローカル市場での不動産賃貸の仕方による違いです。ですので、変えるのはそこだけで、今後進出を検討しているASEANでも特に問題はないと考えています。将来的には人材の送り出し、技能実習生の送り出しもしたいと思っており、そのための情報収集をと考えています。
ウィークリーマンションをカンボジアでもしなのかというご質問ですが、日本では法律により30日以下の賃貸が禁止されています。それにより、日本国内でのウィークリーマンション事業はなくなりました。カンボジアでは、短期間であれば、ゲストハウスやサービスアパートがそれに代わります。
レオパレスは海外に12拠点あります。近隣諸国と比較すると、タイ(バンコク)については、現在オフィスの空室率が少なく、政情不安定もあいまって、進出を躊躇される企業も少なくなく、同時に賃貸についても、日本人街と言われるエリア(プロンポンやトンロー)では、家賃の高騰が激しい状態です。
ベトナムについては、首都ハノイとホーチミンで異なります。ハノイは製造業が多く進出していますが、今後は港のハイフォンエリアが活性化してくると予測しています。しかし、ハノイからハイフォンまでは距離もあり、通勤圏内とはいえないのが実情。つまりハイフォンでの賃貸は今後注視すべきだと考えているところです。
ホーチミンは商業エリアではありますが、社会主義国であるがゆえに、取決めが厳しく、サービス業、特に飲食業での多店舗展開が困難な状況です。しかし、大手よりも中小企業の進出は加速傾向にあると思っています。よって、不動産や賃貸についても、今後右肩上がりまではいかないまでも、現状の持続はしばらく継続していくのではないかと思っています。その点、カンボジアでは縛りがなく、自由度が高いので、ベトナムからカンボジアに進出するお店もあります。
住居として外国人が住むエリアとしては、ボンケンコンが中心になりますが、人気ゆえに家賃は上がってきています。また、道路の拡張ができず混雑することもあります。次に注目すべきエリアはトゥールコックです。
住居探しのポイントとしては、何を重視するのか、最後までぶれずに探すことです。物件をいくつも見ていると、当初の目的からずれてしまうことがあります。最後まで、自分が何を重視したいかを考えることが大事です。日本でも以前は、環境を一番のポイントとする方が多かったのですが、今ではセキュリティに変わってきています。カンボジアも警備員がいたりしますが、人件費の問題でしょうか。自動ドアを取り付けるより、ドアを開閉するスタッフを雇用するほうが安くすむということがあるのかもしれません。
オフィスを借りる際には、書面の確認をしっかりすることが大切です。孫貸し、玄孫貸しなどということもありますから、オーナーが誰であるかを確認することです。今後、工場については、レンタル工場などをご紹介していけたらと考えています。
私はレオパレスの法人営業部で11年の経験を積んできました。法人営業部というのは、企業様へ寮や社宅の提案、様々な角度から考察した相乗効果の図れるコラボ企画提案営業を行う部署です。いずれは現地の人にまかせられる、現地の代表を作れるような会社を創っていきたいです。(取材日/2014年7月)