2018年12月7日
――カンボジアの不動産業の課題を教えてください。
私の出身のイギリスでは、マーケットに非常に透明性があり、情報へのアクセスが簡単にできました。しかし、カンボジアでは透明性に欠けることがあるため、マーケットのリサーチや、情報へのアクセスが難しいです。これが大きな課題です。カンボジアで困難なことは、透明性がないことです。デベロッパーがカンボジアに来る理由の1つは、規制が緩いことがあります。
しかし、デベロッパーの中にはカンボジアの整理されていない環境に何をすべきなのかわからず、計画性のない人々もいます。我々は、彼らに何をすべきか、情報を提供します。
――不動産の今後の予測を教えてください
私の予測は、不動産の分野によって異なります。5年前、私がここに来たとき、インターナショナルな基準のショッピングモールはありませんでした。しかし、今や、知っての通りイオンモールなど国際的なモールなどがあります。
当初、コンドミニアムでは、ターゲットを外国人にしたものが活況でしたが、最近では、少し停滞しています。カンボジアのマスマーケットには、価格が高すぎるのです。この分野では、供給過多のため、現在、開発は商業施設にシフトしていると言えます。オフィスビルディングや多くの小売店のプロジェクトです。イオン2は、建設が完了しました。ショッピングモールのいくつかが建設中です小売業界はここ12ヶ月間で非常に流動的です。
また、近隣の国と比べ、労働コストが比較的安価のため、中国でビジネスをしていた、例えば、イタリア人やアメリカ人は、カンボジアへ拠点を移すことを検討しています。カンボジアのインフラの整備が進み、より産業が改善されれば、製造業にとってより魅力的になります。また、カンボジアが成長著しいASEAN市場に位置していることも、大きな可能性を秘めている理由です。
高級なコンドミニアムの分野は、確かに陰りが見られますが、デベロッパーは、手頃な価格のマンションを建てています。それは、5万ドル以下の価格で、主にカンボジア人に向けられたものです。地元のデベロッパーは、この手頃な価格帯のコンドミニアムを攻めています。
――中国の企業もコンサルティングしていますか?
はい、しています。知っての通り、カンボジアと中国は密接な関係です。そのため、カンボジアは中国企業にとって非常に投資しやすい環境です。インフラ事業には、政府ではなく、企業が投資する方がより簡単です。
また、我々はナイトフランクの上海や北京のオフィスとも非常にやりとりが多いです。その点では、最近5年間で、非常に変化しています。
――中国のシアヌークビルへの投資が非常に盛んです。その点についてどのように思いますか。
これは、議論の分かれる問題です。シアヌークビル は、カンボジアの経済の拠点であり、市内中心部は開発が盛んです。現在は、投資によって雇用が生まれているため長期的にみて良い点だと思います。
一方で、レストランの多くは中国人経営で、シアヌークビルに住むカンボジア人は恩恵をあまり受けていません。これは良くない点です。カンボジアはインフラの発展が必要です。カンボジア政府は、そのために私企業を求めています。自分自身でお金を出す必要がないからです。これは良い点です。中国の企業が、インフラを整備してくれます。
ですが、建設の質がインターナショナルな基準になっていないこともあります。これは懸念点です。土地の価格が、高騰しています。150パーセント以上も増えている。ここ12ヶ月から18ヶ月です。シアヌークビルの中心は、カンボジア人はあまりいないです。中国人がたくさんいます。
(次回へ続く)