2015年3月21日
―――まず、クリードについて教えて下さい
約仕知宏(以下、約仕) クリードは1996年に設立した会社で、2005年には東京証券取引所第一部に株式を上場し、同年に東京証券取引所で住宅REIT、2006 年にはオフィスREITを上場しました。2009年にリーマンショックの影響をうけ上場を廃止し、その後、2012年から東南アジアへの不動産投資事業を本格化しています。展開している国は、マレーシア、ベトナム、カンボジア、バングラディシュ、ミャンマー、シンガポールです。主に住宅開発を中心とした不動産投資を行っています。カンボジアに会社を設立したのも東南アジアへの進出を始めた2012年です。
―――何故カンボジアで事業を開始したのでしょうか?
約仕 政情が安定していること、ASEANの中で経済成長率が高いこと、米ドルでの投資ができることの3つの理由が挙げられます。
―――御社が手がけている「ボダイジュ・レジデンス」についてお聞かせください
約仕 建築的な魅力としては大規模物件であり、商業施設と隣接して利便性が高い物件でありながら、緑をふんだんに使った建築がされていることです。総戸数は928戸あります。ロケーションは空港前に立地していて、プノンペンSEZを始めとした工場エリアへのアクセスが良いので一定の賃貸需要が見込めると考えています。というのも、最初にコンドミニアムの市場を見た時に、供給は街の中心部に多かったので、供給がまだ少ない所・足りない所で需要が高いエリアに投資しようと思いました。
今回の場所に選んだのは、空港の目の前です。隣に大型ショッピングモールが出来るのでそれが決め手になりました。また、このエリアには工場で働く外国人が住めるような質の高いアパートが少ないので競争相手が少ないという点で賃貸の需要はあるでしょう。
想定する購入者はローカルの実需向けと海外の個人投資家の投資向けです。驚いたのが販売を開始して2週間が経ちましたが、予想以上にカンボジア人への反響が大きかったことですね。それだけ内需もあるということだと思います。(2015年9月現在)
―――不動産業界の今後についてどうお考えですか?
約仕 現在プノンペンでは、コンドミニアムはオーバーサプライといわれていますが、我々としては、プノンペンにおけるコンドミニアムマーケットはまだまだ始まったばかりだと思っています。一見供給が多いように見えますが中期的に見て十分に需要は追いつくでしょう。エリアに関係なく全体的にまだまだ伸びしろがあると思います。
―――御社の今後の展開についておきかせください
約仕 (2015年9月現在)もうすぐボレイ・マハ・センソックとアラタ・ガーデン・レジデンスというローカル向け戸建て住宅を販売開始します。総戸数で1300戸以上です。今後も良いチャンスがあれば積極的に投資していきたいと考えています。外国人向けのコンドミニアムだけではなく、ローカル向けの物件も含め、日本クオリティの良質な住宅を供給していきたいと考えています。(取材日/2015年9月)