2016/3/6
この1年は2014年同様、特に居住物件で安定的に新規案件が投入されています。商業物件の入居率は75%前後で推移していますが、グレードB及びCは2015年第一四半期から比べて3%上昇した89%前後となっています。この上昇によりグレードB/C物件は家賃の上昇が続いています。
居住物件のディベロッパーは安定した販売が続いているようで、特に今年に入ってからザ・ピーク、ボダイジュレジデンス、ザ・ベイ等大型案件の発表が相次いでいます。またカンボジア国内初の国際基準モールであるイオンモールが開店1年を迎えましたが、現在も100%の入居率が続いています。
プノンペン以外では、ここ10年ほど年間20%近い順調な観光の伸びが好材料となっています。ビーチエリアでは数件のリゾート開発が予定されており、今後の観光入域増大につながるのではないでしょうか。2015年初めにはシアヌークビル空港発着の格安航空も発表されたことから今後観光客がビーチエリアにシフトするのではと予想しています。
オフィス物件の賃貸価格は今年に入ってから上昇が続いています。グレードB/C物件の需要が高まっているのも一因です。
昨年はヴァタナックキャピタルの完成でグレードA物件の供給が一気に拡大したため、グレードB/Cに比べると価格上昇は落ち着いており、平均平米単価は28ドルとなっています。直近四半期では、高グレード物件への借り換えも積極的であることが見受けられます。
今年の初めにホンコンランドより、開発面積18500平米の高グレードオフィススペースと13000平米の商業モールから形成される旗艦プロジェクトの発表がされたばかりです。既に本プロジェクトは多くの注目を浴びており、完成とともに人気が出るのではないでしょうか。(取材日/2015年10月)