カンボジアに進出する日系企業のための
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業界別インタビュー

国際的金融機関として業界をリードする、AA格付のANZグループの銀行

金融・保険

ANZロイヤル銀行 ANZ Royal Bank
CEO: グラン・ナッキー Grant Knuckey
幅広いネットワークを持ち、アジア太平洋地域で信頼されるANZバンキンググループ。CEOのグラン・ナッキー氏とリレーションシップマネージャーの山口沙世氏にカンボジアの金融事情や日系企業へのサービスについて伺った。
数年の金融業界の変遷

グラン・ナッキー(以下、ナッキー) ANZロイヤル銀行(ANZR)が参入した2005年当時の金融業界は非常に原初的でありサービスや技術も基礎的なものしかありませんでしたが、ANZRの参入により、市場は大きく変化してきました。私たちは電子取引やPOS、ATM等の様々なサービスを市場に提供し、競合他行がこれに追随することで社会に利益を生み出してきました。電子取引に対する需要は高かったので直ぐに発展していきました。ANZRは社員教育に対する強い哲学がありましたので、業界の教育水準も上がりました。これらは大変大きなな変化だったと思います。

現在のカンボジアでは主要な5、6行によって75%の市場シェアが占められています。これでも寡占具合は緩和されたほうで、2年前に遡ってみれば、4つの銀行が80%のシェアを占めていました。寡占状態は緩和されましたが、一方で大変競争の激しい分野になっています。競合が増え、価格競争が激しくなるに従い、商業銀行が以前のように利益を出すことは難しくなりました。一方で、利用者にとっては良い状況になったと言えると思います。手数料や利息が下がり、サービスの効率が上がり、質も向上しました。

また、カンボジアの金融業界の特徴的なものとして、マイクロファイナンスがあります。もちろん、これは他国にも存在しますが、カンボジアほど重要とされ大規模なものは少ないでしょう。投資家に大きな利益をもたらしながら、とてつもない勢いで成長し、金融業界においても重要な位置を占めるようになってきています。

ドルとリエルの関係

ナッキー カンボジアでのビジネスはほぼ完全な米ドル経済です。リエルは支払いや両替の手段として使われていますが、取引量の5%ほどしかありません。ですから、現在は金融業界や支払手段においては米ドルが問題なく使えます。一般的に投資の際の大きなリスクとして為替変動があげられますが、米ドル基準のカンボジア経済は投資家にとって安定的で他国に比べリスクが低いと言えるでしょう。

一般的に、他国の通貨を使うことは、国家の経済政策によるコントロールができないので、妥協的な選択ではあります。ただ過去10年を見ると、米ドル基準の経済がカンボジアの利益に繋がってこなかったということを言う人は言ないでしょう。

日系企業へのサービス

山口沙世 カンボジアに来る日系企業の皆さんが当行を選んでくださっている理由は3つあると思っています。1つ目はAAレートをもつ親会社をバックとした銀行の信頼性、2つ目は親会社や地域統括オフィスのある国からもサポートできるような国外のネットワークと、カンボジアの状況について深い知識を持っている国内企業とのネットワーク。3つ目に、オンラインプラットフォームの利用が可能なことです。取引銀行を選ぶ際には、本社の許可が必要になる場合が殆どですし、駐在される日本人マネージャーの方が複数国担当されていたり、出張で飛び回っていらっしゃることも多いので、これらのポイントを満たす銀行は選ばれやすいんですね。

カンボジアに来られるお客様のご要望は様々です。まず、視察などで来られるお客様は、具体的な銀行のサービスよりも、一般的なカンボジアの経済状況などを聞かれる場合が多いです。私たちは、現在のカンボジアの状況を知るためのキーパーソンとなるような方をご紹介しています。そこから、色々な情報を集め、進出されるか否か判断されます。その段階で現地パートナーになれそうな企業様や、情報をご提供させて頂く場合もございます。

次に、進出を決めて来られているお客様は、口座の開き方やCDCや商業省とのやりとりの仕方など、より実務的なことを聞かれます。私たちは、日々の業務から得た経験や知識がございますので、それらの情報を提供しています。特に日系企業さんには言語の障壁があることもございますので、その面でもお手伝いをいたしております。


ANZロイヤル銀行 ANZ Royal Bank
事業内容:商業銀行
URL: http://www.anzroyal.com

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