カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

TOP INTERVIEW
トップが語る、カンボジアビジネス(2020/1月発刊11号より)
すべてのスタッフを尊重し、全員に対して公平であるよう最善の努力をする(3/3)
top interview

2002年にカンボジアに創業したイエローツリー・インテリア。競合が増えている中、内装サービスの老舗として存在感は今でも健在だ。カンボジアの大手企業の内装・外装を数多く手がける同社のマネージングダイレクターのバーニー・ダーキン氏が、どのようにカンボジアと向き合い、これまで生き残ってきたのか。彼の人生から、サステナビリティのヒントが隠されている。

軍で鍛えた強靭な肉体も年齢には勝てない。先進国から来た外国人が開発途上国で暮らすということは、どういうことなのだろうか。

 軍隊で鍛えたので体力には自信があり、49歳までは週3回運動をして健康を維持していました。それでも過去数年で突然予期せぬ病に見舞われ、体調管理が難しくなりました。先進国にいれば当たり前に受けられる緊急医療や最先端医療も、ここでは受けられなかったり処置が遅れれば後遺症になることもあります。ただ、それを悔やんでも仕方がないですよね。

 物事には段階があります。開発途上の国で先進医療を迅速に提供できるようになるまでにも段階があることを受け入れなければならない。建設業も同じです。最近、建物が倒壊する痛ましいニュースが続きましたが、これも今この国が発展途上のひとつの段階にあるという事実です。

 もちろん、このような事件が起こり続けることを許していてはいけません。ただ、こういった状況が改善され続けた結果、国が次の段階へ次の段階へと発展していくのだと思います。この国で年齢を重ね、また病気を経験して思い通りにならない状況に直面し、物事をあるがままに受け入れることが少しずつできるようになってきました。

 今では、健康で働き盛りの若い頃を謳歌できたことに感謝し、今の自分を受け入れて生きています。病気から回復してからは1週1週を大切にし、あまり先のことまで予定を詰めすぎないようにしています。また、私のことをよく理解してくれるカンボジア人の家族がいることも有難く思っています。

カンボジアで働く日本人、進出する日本人へ人と人のコミュニケーションに完璧な英語は要らないと話すダーキン氏。英語が不得手な日本人に何を思うか。

 日本人は努力家でよく働く方が多いですね。ただ、言語面でいうと英語に苦手意識の強い方が多い印象を受けてきました。カンボジアで働きたい方にとって英語のスキルは必須ですが、完璧な英語が求められているわけではありません。私は英語が母国語ですから、カンボジア人や日本人が私と同じ言語を話してくれることを有難く思っています。

 文化の違いもあるかもしれませんが、間違いを気にし過ぎたり、堅苦しくなったりせず、もっと気楽に話せばいいと思いますよ。私はたまたまイギリスに生まれ、みなさんはカンボジアや日本に生まれたから言語や人種、文化が違っただけのことで、本質的には、人間同士のコミュニケーションができることが大事なのですから。また、クメール語・日本語に強い通訳を雇用することも望ましいのではと思います。

 私たちの会社では中国・ベトナムのクライアントが増えているので、中国語を話すマネージャークラスのスタッフがいることが大きな強みとなっています。彼以外にも中国語・ベトナム語を学んでいるスタッフがおり、即戦力となってくれています。

インタビューの最後にダーキン氏は、管理者として必要なマネジメントスキルは実践が大事だと強調した。

 マネジメントスキルは、これまで多様な職場で出会った上司たちから自然と学んでいきました。幸運にも彼らの多くは素晴らしい人たちで、彼らから学んだことは価値ある教訓として過去45年ずっと私の中に活きています。

 ワークショップや書籍などから知識を得ることにばかり熱心な方を見かけることがありますが、そういった方はたくさん勉強しても、得た知識を仕事で活かしきれていなかったり、職場で実際に起こる課題を解決していく過程で実践的な学びを得るという姿勢が少し足りないことがあります。

 職場で必要なスキルは、学校や書籍だけで学べるものではなく、現場での経験を重ね
て獲得していくものだと思います。私は学歴を聞かれることがあると、「博士号(PhD)を持っています、、、人生という名の大学の!」と答えているんですよ。行動し、経験して学んでいくことが大切ですね。

topinterview11-back

IMG_9893
イエローツリー・インテリア
Yellow Tree Interior
Managing Director
バーニー・ダーキン
Bernie Durkin
英国で生まれ育ち、軍人の父親の影響で20年ほど軍に勤務。民間企業に転職してカンボジアに赴任し た。KPMGカンボジアで働いた時の厳しい管理態度を買われ、異業界である現在の会社から突然スカウトされ現在 に至る。今年で63歳。。