カンボジア教育・青少年・スポーツ省(MoEYS)は、World Population Review 2025が発表した世界教育ランキングで、カンボジアが203か国中120位と評価されたことに対し、「科学的信頼性に欠ける」として正式に反論した。
同省の報道官は、「カンボジアの教育システムに関する今回の順位は、まだ科学的に実施されたものではなく、教育の比較や分類として受け入れ可能なものではない」と述べ、「World Population Review のランキングを受け入れることはできない」と強調した。
省の声明によれば、国際的な教育評価は厳密かつデータ駆動型の手法に基づくべきであり、単なる世論調査に依拠した順位付けは、国ごとの教育進展を正確に反映するものではないとした。
World Population Reviewのランキングは、UN NewsのBest Countriesレポートおよび非営利団体World Top 20のデータを基に作成されており、とりわけBest Countriesレポートは、米国のUS News & World Report、BAV Group、ペンシルバニア大学ウォートン校が共同で実施している。調査では78か国以上の人々に対して、「公教育の整備」「大学進学意欲」「教育の質」の3項目を同等に重視して順位を決定している。
これに対しMoEYSは、「このような世論調査型ランキング手法が、複数国の専門家グループによって現在見直し・否定されている」と主張しているが、そのような国際的合意や正式な声明が確認されているわけではない。教育ランキングにおける「世論調査に基づく指標は国の実情を反映せず、誤解を招く」というアカデミックな懐疑論は存在するものの、MoEYSの主張はやや防御的・排他的な反応に見えるという側面もある。
実際、OECD、UNESCO、UNDPなどの主要な教育評価機関では、PISA(学習到達度調査)やTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)など、実測データに基づいた評価が重視されており、世論調査型ランキングはあまり使用されていないのが現状である。
ASEAN内の教育ランキングでは、1位がシンガポール、次いでブルネイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ラオス、タイ、ミャンマー、そして最下位がカンボジアという順位となっている。
ヴィチェカ氏は、特にラオスがタイよりも上位とされた点について疑義を呈し、「ラオスはPISAに参加していない一方で、タイには国際的に認められた大学が存在しており、教育の質は高い」と述べた。さらに、「全体としてカンボジアとタイのほうが教育面では優位である」と付け加えた。