学校閉鎖の影響を受ける学校や教師、保護者。それぞれ厳しい財政状況に追い込まれている (c) KT / Siv Channa
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、私立教育機関を取り巻くあらゆるレベルに及んでいる。
授業料からの収益を頼りにするインターナショナルスクール、満額の給料を期待する教師、そして子供たちの将来のために質の高い教育に多大な投資をしている保護者らは、学校閉鎖の影響によりそれぞれ厳しい財政状況に追い込まれている。
教育・青少年・スポーツ省が3月に全国の教育機関の閉鎖を発表して以来、学校は何度も開校と閉校を繰り返してきた。
全ての保護者が保育を手伝う家族や友人を持っているわけではなく、またチャイルドマインダー(必要な時間だけ自宅や訪問先の家庭で子どもを保育する仕事)を頼む余裕があるわけでもない。保護者たちは仕事に行くか家にいるかの選択を迫られている。
そのような親の一人であるロスさんは、学校が提供するオンライン授業に自分の子供がうまく適応できずいると説明する。チャイルドマインダーを雇う費用負担や学習レベルの低下懸念も相まって、学校の授業料を払い続ける価値と実現可能性を検討しているという。
「共働きなので難しい状況です。シッターを雇って子供たちが学校の勉強をしているか見守らなければなりません。子供たちは学校が提供するオンライン授業に集中できず苦労しているので、休学してオンライン学習専門の会社に申し込むことを検討しています。今よりもコストがかかりません」と話す。
アメリカン・インターコン・スクール(AIS)とAiiランゲージセンター(Aii)の会長兼CEO、メンリー・クアック氏によると、学校の収益は大きな影響を受けているという。同氏は、「閉鎖してからの収益は、Aiiで75%、AISで35%が失われました。ある支店は陽性反応が出た家族と関連があったため、一時的な業務停止を命じられました」と述べた。
また、イースト・ウエスト・インターナショナルスクールのジェフリー・ケイン校長も、「財政面やその他の不確実性の中で、学校が授業計画を立てることは困難です。ここ数ヶ月、オンライン学習と対面学習を行ったり来たりするのは、生徒にとっては間違いなく大変なことでした」と述べた。
匿名でインタビューに応じたある教師は、「4月に20%減給されましたが、この時はまだお金で苦労することはありませんでした。しかし2ヶ月後にはさらに15%減給され、最近に再び減給されました。今では以前の給料の50%になってしまったため、祖国に帰らなければならないかもしれません」と話す。
また、ある学校の中間管理職者は、「この半年間で6人の教師が学校を辞めました。何人かは祖国に帰り、残った人は追加の仕事を探しました」と話した。