8月17日、カンボジア環境省が発表した声明では、カンボジアは経済成長により国のエネルギー需要が急上昇し、ロシアと原子力発電所の建設計画の議論を始めたと述べている。
6月に、核情報センターとカンボジア開発評議会の間で締結された覚書では、ロシア国営原子力企業ロアストムと協力し、カンボジアにおける原子力エネルギーの共同開発グループを組織するもので、この覚書は、5月のフン・セン首相のモスクワ公式訪問の際にサインされた。
声明では、「カンボジアは気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を削減する世界的な取組みを支援する一方、エネルギー需要を満たすため未来のエネルギーが必要だ」と述べており、「代替エネルギーとして、水力、太陽光、バイオマスを模索し、長期的には原子力エネルギーの可能性も議論し始めている。また、核技術が医療、工業、農業、経済等の分野に寄与することにも興味を持っている」と、付け加えた。
カンボジア工科大学の学長は、「核情報センターはカンボジアの学生や研究者に対して原子力発電の利点と使用法をに学ぶ機会を提供する」と述べた。
カリフォルニア州ロサンゼルスのオクシデンタル大学で、外交や世界情勢を教えるソーパール・イアー准教授は、「カンボジアは原子力発電に関する専門知識を持っていない」とクメールタイムズに語り、「日本ですらその全ての技術を以てしても、福島の災害をコントロールすることはできなかった。炭素排出量は無いが、簡単に脱却できず、何百年も続く核廃棄物を生成する」と述べている。