カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

  • 労働
  • 2025年1月8日
  • カンボジアニュース

カンボジアの最低賃金引き上げ、投資競争力を支える[労働]

2025年の新たな最低賃金がカンボジア王国政府によって設定され、今月から施行された。この政策は生産性の向上を促進し、雇用主、労働組合、その他の関係者間での良好な関係構築に寄与するとされる。

労働職業訓練省の高官は、プノンペン都内工場の落成式で、「最低賃金の引き上げはビジネスの拡大やカンボジア人への雇用創出を可能にする」と述べた。これはカンボジア政府が最優先課題としている目標だ。

また、同氏は「賃金の年次引き上げ政策は、フン・マネット首相の指導の下、政府が労働者の福祉に配慮している証である」とし、社会保障制度が労働者の生活向上に重要な役割を果たしていることを強調した。

2025年の新たな最低賃金は月額208ドルであり、昨年の204ドルから4ドル引き上げられた。この賃金水準は、繊維、衣料、履物、旅行用品、バッグ製造業の労働者に適用される。

経済専門家たちは、この引き上げがカンボジアの投資誘致力を維持するのに貢献すると評価している。

カンボジア王立アカデミーのシニアエコノイスト、キー・セレイバット氏は、「この金額はグローバルな経済状況およびカンボジアの投資家の事情に合致しており、国際的な競争力を損なわない範囲で設定されている」と述べた。一方で、「賃金が生産性を超えて高くなりすぎると、競争力を損ない、外国からの投資流入に悪影響を及ぼす可能性がある」とも警鐘を鳴らした。

この取り組みは、国際市場での競争力を維持しつつ、労働者の生活の質を向上させるための重要な一歩であるとされ、賃金と労働生産性のバランスを保ちながら、カンボジア経済がさらなる発展を遂げることが期待される。

商業省の報告によると、2024年1月から11月の間、カンボジアは衣料品、履物、旅行用品で総額122億2000万ドルの輸出を記録し、前年同期比で24.9%の増加を見せた。特に衣料品は89億4000万ドルを占め、25.8%の伸びを示している。

関連記事
経済
カンボジア政府、未登録の小規模事業・零細企業へ正式登録を呼び掛け[経済]
(03日)
観光
カンボジア、2025年から電子ビザ料金を引き下げ – 観光誘致を強化[観光]
(12月31日)
労働
ホンダ、カンボジアの若者にスプレー塗装技術を提供:国内外での雇用を支援[労働]
(12月27日)
経済
カンボジア商業省、2024年の企業登録数は9530社に減少し、近隣諸国と対照的な減少傾向[経済]
(12月20日)
経済
カンボジア、電子請求書の義務化へ:透明性と効率性を目指す次世代システム[経済]
(12月18日)
経済
韓国特別経済区(SEZ)誘致へ カンボジア政府が強力要請[経済]
(12月17日)
あわせて読みたい
特集
ウン・コンターパヴィー女性大臣が語る、女性の社会経済的エンパワーメント
特集
パン・ソラサック商業大臣が語る、商業部門の未来と日本への期待
特集
カンボジア人の声 JC Agricultural Cooperatives Co.,Ltd ジェネラルオペレーションオフィサー ノウン・クンティー
特集
カンボジア人の声 AIA生命保険 ファイナンシャルプランナー チェア・チャンメトレイ
特集
カンボジア人の声 協和製函 ホート・アムセイン
労働の最新ニュースランキング
最新ニュース