カンボジアに進出する日系企業のための
B2Bガイドブック WEB版

  • 経済
  • 2025年8月20日
  • カンボジアニュース

カンボジア 米関税19%でも家具産業に重圧続く[経済]

カンボジアの家具製造業は、米国が課す関税が当初の49%から19%へ引き下げられたにもかかわらず、依然として深刻な打撃を受けている。米国はカンボジア製家具の主要輸出先であり、年間数億ドル規模の取引があるが、19%という水準は業界の採算を大きく圧迫している。

投資家によれば、家具業界はもともと薄利構造にあり、小売業者や卸売業者が利益の大半を吸収するため、製造側の利幅は極めて小さい。このため、関税負担を販売価格に転嫁することが困難であり、米国の小売業者は調達先を関税の低い市場へ移す可能性が高いと懸念されている。

実際、米国の家具輸入業者ベン・クネプラー氏は、以前中国からカンボジアに生産を移したが、新たな関税で「短期間に0%から49%、10%、36%、そして19%へと目まぐるしく変動した」と述べ、状況を「不運のルーレット」に例えた。

さらに業界関係者は、アマゾンやウェイフェアといったEC大手との競争激化に加え、関税増が従来型の小売業者を直撃していると指摘する。カンボジア家具業界が競争力を維持するためには、市場の多角化と輸出先の拡大が急務とされる。

関連記事
経済
カンボジア経済、5.9%成長の裏に駆け込み輸出 下半期に減速懸念[経済]
(06日)
経済
米国、カンボジア製品の関税を19%に引き下げ 政府「画期的な前進」[経済]
(01日)
経済
カンボジア、上半期の車両輸入が11億ドル超え 前年比49%増[経済]
(07月30日)
経済
AMRO、カンボジアの2025年GDP成長率予測を5.8%→5.2%に下方修正[経済]
(07月25日)
経済
カンボジア縫製工場の15%、注文枯渇で操業危機 米関税の影響顕在化[経済]
(07月16日)
経済
カンボジア、2025年上半期の関税収入は14.7億ドル 前年同期比21%増[経済]
(07月14日)
あわせて読みたい
特集
ウン・コンターパヴィー女性大臣が語る、女性の社会経済的エンパワーメント
特集
パン・ソラサック商業大臣が語る、商業部門の未来と日本への期待
特集
カンボジア人の声 協和製函 ホート・アムセイン
特集
スン・チャントール上級大臣兼公共事業運輸大臣が語る、カンボジアの努力と発展の可能性
業界
カンボジア人の多くは、まだ不動産購入出来る段階に入っていない[不動産]モーガン・リー
経済の最新ニュースランキング
最新ニュース