カンボジアの家具製造業は、米国が課す関税が当初の49%から19%へ引き下げられたにもかかわらず、依然として深刻な打撃を受けている。米国はカンボジア製家具の主要輸出先であり、年間数億ドル規模の取引があるが、19%という水準は業界の採算を大きく圧迫している。
投資家によれば、家具業界はもともと薄利構造にあり、小売業者や卸売業者が利益の大半を吸収するため、製造側の利幅は極めて小さい。このため、関税負担を販売価格に転嫁することが困難であり、米国の小売業者は調達先を関税の低い市場へ移す可能性が高いと懸念されている。
実際、米国の家具輸入業者ベン・クネプラー氏は、以前中国からカンボジアに生産を移したが、新たな関税で「短期間に0%から49%、10%、36%、そして19%へと目まぐるしく変動した」と述べ、状況を「不運のルーレット」に例えた。
さらに業界関係者は、アマゾンやウェイフェアといったEC大手との競争激化に加え、関税増が従来型の小売業者を直撃していると指摘する。カンボジア家具業界が競争力を維持するためには、市場の多角化と輸出先の拡大が急務とされる。