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  • 経済
  • 2025年8月5日
  • カンボジアニュース

2025年上半期の企業登録が微増 前年の落ち込みには及ばず[経済]

カンボジア商業省の最新報告によれば、2025年上半期に新規登録された企業・事業体は合計5,649件であり、前年同期(5,349件)から5.6%の増加を記録した。内訳は、資本金を伴う法人企業が3,073件、外国貿易企業が42件、個人事業主が2,534件である。また、49件の登録が電子プラットフォームを通じて行われた。

チョム・ニモル商業大臣は、公共サービスの質向上を目指し、自動化の推進や手続きの効率化、価格の安定、国内市場の発展促進に注力していると述べた。特に、電子ライセンス制度の導入を含む登録業務のデジタル化が進められている。

同大臣は、「今回の登録数の増加は、政府の改革と好調なビジネス環境の相乗効果によるものだ」と分析している。

また、カンボジア商工会議所(CCC)もこれに同調し、「起業家が新たなビジネス機会を積極的に捉えていることの証左であり、ビジネス環境への信頼感を反映している」と述べた。副会頭のリム・ヘン氏は、フォーラムや使節団などを通じた民間支援の成果も表れていると述べている。

一方で、今回の増加は2024年に観測された大幅な落ち込みを完全に補うには至っていない。商業省の過去の報告によれば、2024年1月から11月までの新規企業登録数は9,530件であり、前年の11,506件から約17%減少していた。仮に2025年下半期も同水準で推移したとしても、年間で11,298件程度となり、依然としてコロナ後のピーク水準には及ばない可能性が高い。

このため、登録数の微増は回復傾向の一端とはいえるものの、全体としては依然として本格的な起業活性の回復には距離があるとの見方も必要である。

政府は引き続き、登録手続きの簡素化、非公式コストの排除、透明性向上を通じて民間の信頼を高め、持続的な起業促進と経済成長の基盤強化に取り組む構えである。

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