3月26日、カンボジアと米国は、第2回カンボジア・米国官民対話を通じて、経済協力の深化を再確認した。会議は、カンボジア開発評議会(CDC)副議長であるスン・チャントール副首相と、米国大使館臨時代理大使ブリジット・L・ウォーカー氏の共同議長のもと開催された。
本会議には、関係省庁、米国商工会議所(AmCham Cambodia)、米国ASEANビジネス評議会(US-ABC)、民間企業関係者、専門家などが参加した。議題は、投資環境に関する規制や基準、米国投資家のカンボジア市場へのアクセス促進要因、投資手続きの円滑化などが話し合われた。
スン副首相は、「2024年には過去最高となる414件の投資プロジェクトが承認された。これは、投資法と政府の民間投資支援政策の効果を示すものである」と述べた。また、CDCが導入した投資プロジェクト管理システム(cdcIPM)についても言及し、電子署名機能により、インターネットを通じてどこからでも承認が可能となる柔軟性を強調した。
米国側出席者は、2024年9月に開催された第1回対話の後、具体的な回答や改善策が示されたことを評価し、今回の対話でも政策や手続き面でさらなる改善が進むことに期待を寄せた。米国商工会議所のケイシー・バーネット会頭は、「この対話はすべての関係意思決定者が一堂に会する非常に効果的な場であり、税制の明確化や、安価でクリーンなエネルギーに関する協議、政府手続きのデジタル化要望に対する前向きな反応もあった」と語った。
一方でバーネット氏は、カンボジアの米国に対する大幅な貿易黒字や、米国製品・企業に対する関税および非関税障壁の存在を理由に、米国からの報復関税のリスクに直面していると指摘した。また、トランプ政権が「自国より高い関税を課す国に対して報復関税を課す方針を示しており、貿易不均衡是正の手段として関税を活用する可能性がある」と述べたことにも触れた。
このようなリスクを回避するために、バーネット氏は「カンボジア政府は、米国企業への支持姿勢を明確に打ち出し、保護主義的な慣行をやめる必要がある」と述べ、米国製品への関税引き下げや、スターリンクのような企業へのライセンス承認を迅速化する必要があると提言した。
今回の対話は、フン・マネット首相と米国当局の指導のもと、協調と合意形成の精神に基づき、米国投資家の懸念に対応する目的で開催されたものである。カンボジア政府は、政策・技術両面における官民対話の実効性を高め、既存および新規の投資家との連携強化を図る姿勢を明確にした。
カンボジア税関総局(GDCE)によれば、2025年初の2か月間におけるカンボジアと米国の貿易額は16.7億ドルに達し、前年同期比で25.7%増加した。うち輸出は16.2億ドル(25.4%増)、米国からの輸入は4876万ドル(34.6%増)であった。