カンボジアの信用市場は2024年の第3四半期(Q3)に、小規模ビジネスローンの需要が増加する一方、支払い遅延率も上昇するなど複雑な状況にある。カンボジア信用情報機関(CBC)の最新レポートによれば、第2四半期に縮小していた小規模ビジネスローンの申請がQ3で6%増加し、特に運転資金と資産ファイナンスの契約がそれぞれ20%以上、14.4%増加した。
この需要増は南部のコッコンやシアヌークビルなどの州で特に顕著であるが、一方で建設と農業分野の融資申請はQ2に比べて減少している。建設分野の申請は16.3%減少し、農業分野も20.8%の減少となった。また、DPD30+(Days Past Due 30+、ローンやクレジットの支払いが30日以上遅延していることを示す指標)の割合も増加しており、建設ローンにおいては過去最高の20%に達した。
不動産市場では、供給過剰の問題や投資需要の低迷、販売価格の下落が続いており、プノンペンの不動産開発において新規プロジェクトの立ち上げは著しく減少している。これにより市場の調整が進むと見られ、既存物件の入居率や賃貸需要の回復が期待される。