(c)Phnom Penh Post
メコンストラテジックパートナーズ(MSP)のレポートによると、銀行部門の2019年の収益は前年比23%増、利益が46%増と好調だったにもかかわらず、小規模銀行の不良債権数が多いことにより株主資本利益率(ROE)は11.7%と低水準にとどまった。プノンペンポストが報じた。
昨年の銀行部門における貸付額は24%増加、預金額は15%増加しており、マイクロファイナンス機関を含む金融セクター全体の総貸付金額は320億ドルに達している。
しかしROEが15%以上ある銀行は現在12行あるが、ROEの低い小規模な銀行が昨年末時点で60行ある。
MSPによると、過去10年間の銀行部門の収益は年平均28%の成長を達成してきたが、ここ5年間での成長率は年平均20%と低下している。カンボジアの銀行部門は急成長しているが、現在小規模で不良債権を抱える銀行が多数あるため、統合の必要性が高まっている。
MSPのマネージングパートナー、スティーブン・ヒギンズ氏は、「許容範囲であるROEを維持するためには、少なくても4億ドル以上の貸付規模が必要となる。しかし昨年末時点でこの水準を満たす銀行はわずか16行のみだ」と述べている。
MSPはカンボジア国立銀行(NBC)に対し、2016年に最低資本要件を3750万ドルから7500万ドルに倍増させた時と同様に、2023年から2025年までの間に最低資本を1億5000万ドルに引き上げるよう提案している。