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IMFによると、カンボジア等の新興市場経済圏からFDIの減少が歴史的な水準を記録しており、経済に深刻な影響を与えると予想されている。クメールタイムズが報じた。
IMFの報告書によると、新型コロナウイルスの感染拡大が与える金融市場や国際貿易への影響により、2007年に起きた世界金融危機時と比較して約2倍のFDIが減少している。
一部のエコノミストは、「大規模かつ急激な資本の撤退は、中央銀行と大企業に対して流動性を懸念させるだけでなく、雇用創出の不足や輸出減少を通じてカンボジアの経済成長に大きな影響を与える可能性がある」と話している。
カンボジア国立銀行(NBC)はこれまで金利の引き下げや借入時必要な担保評価の削減などの対策を実施してきたが、ドル化経済が進んでいるカンボジア経済での効果は限定的となっている。
NBCのチア・セレイ総局長は、「NBCはリエルに対してのみ金利引き下げ等を効果的に行うことができるが、ドルに対して影響力を持つことはできない」と述べている。
IMFの報告書によると、新興国は一般的に対外債務が高いレベルにあると定義されているが、カンボジアの債務負担能力は2018年の「中程度」から2019年には「強い」へと改善され、対外債務の対GDP割合は28.5%と低い水準を記録している。
カンボジアでは2019年に35億8800万ドル(前年同期比11.7%増)以上のFDIを誘致しており、中国から43%、次いで韓国が11%、ベトナムが7%、日本とシンガポールがそれぞれ6%と続いている。