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武器以外の全品目を無関税でEUに輸出できる「EBA協定」の適用が取りやめとなる可能性があるにもかかわらず、縫製工場が増えている。クメールタイムズが報じた。
2018年から2019年にかけて、豪州に拠点を置くQLM社は、カンボジアに150万ドルの工場を建設。また、香港証券取引所で上場している中国企業の申洲国際集団(Shenzhou International Group) Holdingsは、プノンペン経済特区内に1億5000万ドルの縫製工場の建設を開始し、2021年に完成予定だ。
「ASEAN Investment 2019」によると、過去2年間に17の縫製工場がカンボジアに設立され、1万1502人の雇用を創出しており、主に香港や日本、シンガポール、中国、豪州からの投資によるもので、ハンドバッグや財布、スポーツウェア、Tシャツ、ジャケットなどを生産している。
カンボジア縫製業協会(GMAC)の事務局長ケン・ルー氏によると、衣料品輸出の成長は過去3年間は比較的安定しているものの、来年の最低賃金の引き上げとEBAの問題が不安材料だという。
カンボジア国立銀行の報告書によると、昨年、衣類と履物の輸出額は100億ドルで、2017年の80億ドルから24%増加したが、世界銀行は、EBAの恩恵が無ければ、カンボジアは年間で5億1300万ドルから6億4500万ドルの損失が見込まれると予測している。
EUはカンボジアの人権状況などを問題視して2月から適用取りやめを視野に調査を進めており、最終的には2020年2月に結論を出す予定だ。