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バンコクポスト紙は、ASEANの不動産市場は、強い需要と限られた供給により、カンボジア特にプノンペンが最も魅力的だと報じた。
不動産コンサルタントCBREタイのマネージングダイレクターは、「プノンペンの高級賃貸住宅は年間8%と全部門で最も高い利回りが期待できる。販売価格は比較的低いままだが、家賃が高く、プノンペンの賃貸需要は多国籍企業の駐在員によって駆動されている」と話す。
家賃700~1000バーツ(約20~28ドル)/㎡のアパートは、強い需要の割に供給は限られており、市内に5500戸、80~90%の入居率を誇る。1ベッドルームのサービスアパートの家賃は月額4~5万バーツ(約1141~1426ドル)とバンコクと同程度だが、ハイエンドクラスの平均販売価格は11万バーツ/㎡とバンコクの20~30万バーツよりも低い。
同氏は、「プノンペンの高級住宅の販売価格は、地価の安さからバンコクに比べて低いが、建設資材のほとんどがタイから輸入されており、建設費はバンコクと近い」と述べ、 平米あたりの平均販売価格は、ハイエンドクラスで11~17万バーツ、ミドルエンは9万3000バーツ、手頃な価格のものは2万4000バーツだ。
カンボジアの住宅における外国人所有権の割合は、全戸数の最大70%とタイより高いが、外国人は地上階や地下室を購入できない。しかし同氏は、「プノンペンの住宅供給は今年5000戸、2018年には2万5000戸に達するため、タイの投資家は今は慎重であるべきだ」と述べている。
また同氏は、「プノンペン周辺のオフィス供給は28万㎡で、バンコクの840万㎡に比べ、オフィスや小売スペースが限られており、需要が高く稼働率はかなり良い。家賃10~15ドル/㎡のCグレードのオフィススペースの入居率は90%、家賃16~25ドル/㎡のBグレードは85%、家賃28~30ドル/㎡のAグレードは40%。バンコクの平均30ドル/㎡だ」と話している。
プノンペンのもう一つの魅力的は小売店市場で、プノンペンで成功したタイの小売業者は、メジャー・シネプレックス、富士レストラン、S&Pレストランと、タイのブランドはカンボジアの消費者の間で非常に人気がある。しかし、プノンペンの現在の小売スペースは68万㎡で、バンコクの総小売面積700~800万㎡の10%にも満たない。限られた供給にもかかわらず、ショッピングモールの毎月の家賃は、バンコクの3000~4000バーツと比較して、平方メートルあたり1200バーツと低いままだ。
しかし、「高級コンドミニアムについては、供給も限られているが、セグメントが非常に小さく、カンボジアの消費者は高級価格を受け入れる準備ができておらず、市場に参入するのが早すぎるかもしれない」と同氏は付け加えている。
一方、他国について、不動産コンサルタントであるコリアーズ・インターナショナルミャンマーのマネージングダイレクターは、「ヤンゴン内の商業用不動産は供給が限られており、需要が高いため、高い稼働率が魅力的だ。しかし、規制が不明確な点と地価が急騰しており、新規サプライヤーの参入は困難だ。ただ、ミャンマーのGDPは8.3%とASEAN諸国の中で最高であり、チャンスは多い」と述べた。
また、不動産コンサルタントJLLタイのマネージングダイレクターは、「購買力が高く、政府がインフラ計画に費やし経済が持ち直しているとして、ベトナムは興味深い投資先である」と述べる。「中間所得層は、ITやモバイル技術への支出を好み、ベトナムの不動産市場は、過去2年間底を打っている」と付け加えた。