(c)Phnom Penh Post
鉱工・エネルギー省の発表によると、最大出力700メガワットとなる石炭火力発電所の建設工程の約半分が今年末までに完成予定だという。
この発電所は、人民党参議員ラオ・メンキン氏の所有するカンボジア国際投資開発グループ(CIIDG)と中国のオルドスホンジュン電力会社との間で、3億8300万ドルで2010年12月に建設が合意されたとプノンペンポスト紙が報じている。シアヌーク州スタンハブ地区から、カンボジア最大の工業団地と国内全土へ送電する。
同省スポークスマンによれば発電所はすでに部分的に操業可能で、石炭はインドネシアから輸入し、年内には計270メガワットの出力が可能になる。また、2014年2月に操業開始したマレーシア系企業所有の石炭火力発電所に隣接して建設される。
石炭火力発電所は特に乾季における水力発電を補完する国内電力源となる。鉱工・エネルギー省のシアヌーク地区担当責任者は、「石炭発電所によって既に電気代が低下、遠隔地への送電にも改善が見られる」と話している。
しかしCIIDGはシアヌーク経済特区(SSEZ)の建設にも2008年に着手しており、SSEZマーケティングマネージャーのグ・シア氏は、これらの発電所がSSEZ内需要へと送電することを期待していると話す。
一方で、政策提言を行ったアデレード・アルムナイ調査ネットワークによれば、カンボジアが石炭発電を効果的に利用できるのは、水力発電による国内需要を補完する場合に限るとし、「環境への懸念もあるが、この場合にはやはり石炭発電が最も安価な手法だ」としている。
人権保護団体アドホックは、「石炭発電所が地元の人々に利益をもたらすとは言い難い。環境への影響がないと言っても、企業が発電計画を遵守しているか我々には分からないからだ」と主張した。