カンボジアの観光業は2024年、観光客数が大幅に増加し、回復基調が続いている。2024年1月から9月までにカンボジアを訪れた観光客数は前年同期比で22%増の約487万人に達した。この増加は主に中国からの観光客の増加に支えられており、同期間における中国人観光客の数は前年同期比でほぼ50%増加している。
中国からの観光客はカンボジアにとって重要な市場であり、その増加傾向が顕著である。特に、アンコール・ワットやシアヌークビルのリゾート地といった観光地では中国人観光客の存在感が増しており、訪問者数は88万人を超えている。
観光業界関係者は、中国人観光客の増加がカンボジア経済にプラスの影響をもたらしていると指摘し、観光収入の増加が地元経済の成長に貢献するとしている。また、カンボジア政府も観光業の発展に注力しており、観光施設の整備やアクセス向上などの取り組みを進めている。特に、インフラの改善や観光地の保全に力を入れ、今後も観光客誘致に努める方針である。
フン・マネット首相は観光業を「グリーンゴールド」と称し、2024年末までに600万人、2026年には700万人の観光客誘致を目指している。観光業はカンボジア経済の主要な柱の一つであり、2023年には約30.8億ドルの収益と45万人の雇用を生み出した。
今後、さらなる観光促進策の展開が期待されており、観光業は引き続きカンボジア経済の成長を支える重要な推進力であると見込まれている。