【建築・内装】
投資家や利用者が内装デザインに価値を見出している限り、内装業界は益々成長していく。ボンケンコンエリアを中心に、外国人やカンボジア人富裕層をターゲットにした飲食店がプノンペン郡内に点在する。現在は店舗の内装スタイルが多様化し始め、経済発展と共にカンボジア人の感覚も表面的には変化がみられる。
その中で、プノンペンには3000人のカンボジア人ローカルのアクティブな建築家と3500人以上の建築を学ぶ学生がおり、カンボジアの建築家協会には50以上の建築会社が登録されている。
先進的なデザインで数々の実績を持つ内装会社、ザ・ルームのパヴェウ・シウデスキー氏は、カンボジアの建築デザイン産業の現状について、「このカンボジアでの建築と不動産業界の急速な発展は、若手デザイナーだけでなく経験豊富な建築家の手腕をもっと必要としていると感じます。つまり設計の価値を基本的に理解しているクライアントは、そのような幅広い選択肢と予算オプションを持つことができます」と新興企業の立場として語る。
カンボジアの建築業界の早いペースの成長・発展は、負の流れをも引き起こしているようだ。同氏は、「残念なことに、市場では、建築の設計者と建築家が、市場の成長と急発展のプレッシャー(つまり短納期の要望)の中で作業するため、技術文書は非常に短期間で準備されています。このような状況は、適切な構造計算や適切な設計されたサービスがなく、レンダリング(データから建築に起こすこと)がなく多数の建物が建てられている状況につながります」と付け加えた。
多くの国際的な建設関連会社が、駐在員事務所の設立や正規代理店を通じてカンボジアへ進出しており、建設関連の製品は低価格から高価格帯のものまで幅広く手に入るようになった。
セメント・コーポレーション(CMIC)は2018年2月、カンポット州の約110ヘクタールの敷地に、2.6億ドルを投じてセメント工場を開設した。総生産能力は1日5000トンとなる。同工場は、地元のコングロマリット、チップモングループとタイのサイアム・シティ・セメント・コーポレーション(SCCC)との合弁会社だ。また、バッタンバン・コンチ・セメントは2018年6月、バッタンバン州に316ヘクタールの敷地に2.3億ドルを投じて、1日当たり5000トンの総生産能力を有する工場の建設している。2020年に完成する予定だ。現在はセメント1トン当たり90ドルだが、将来的には75ドルまで下げられるとし、品質と価格で輸入セメントと競争ができるという。フン・セン首相もフェイスブックで、「年間生産能力を700万トンにし、国内市場だけではなく国際市場にも輸出する」と投稿している。
また、電気温水器のリンナイ、電動工具のヒルティ、床材のペルゴなどの販売代理店であるカムコナ・トレーディングのエリダ・キムスルン氏は、「私たちはソリューションを提供することを第一にしています。商品を売ることに注力せず、顧客のニーズを汲み取り、どんな商品が最適か、どんなソリューションが一番かを提案します」と語る。また同氏は、「消費電力を大幅に削減できるガス瞬間給湯器や商用給湯器の売上は目覚ましい成長を見せています」と付け加えた。
業界関係者は、国際的でグローバルなブランドの建設資材が成長市場を目指して流入する理由の一つにAECを挙げており、今後も非常に多くのサプライヤーが競争すること予測している。