【教育・学習支援】
(125 カンボジアのHR・コンサル③の続き)
昨年4月に満を持して開校となった日本人学校。日本の文部科学省が定める「学習指導要領」に準じて教育課程を編成しており、日本同様の教育を受けることができる。今年3月に初の卒業生を輩出した当校は、2016年4月現在小学部、中学部併せて34名の児童生徒が学んでいる。開校前に「わくわくする学校、知的遊園地にしたい」と抱負を語ったプノンペン日本人学校の三浦信宏氏の構想はわずか1年にしてかなり具体的になってきている。朝の会、課外授業、職業体験、修学旅行など、すべて一から作り上げている活動も、先生も生徒もわくわくする内容で楽しく学べる環境に拘っている。保護者や在住者にもどんどん足を運んでほしいという三浦氏は、学校選びに関して、インター、日本人学校または現地校で悩んでいる場合には、「教育相談、進路相談もお受けしますので、まずはお気軽にお越しいただけたらと思います」と締めた。
補習授業校では、普段の学校教育ではカバーしきれない内容を補習授業として行っている。インターナショナルスクールや現地校へ通っている生徒たちに、日本人としての基礎的な教育をし、日本人としてのアイデンティティの確立を目指している。同校では父兄が中心となって運営しており、生徒数は61名(2015年9月時点)。土曜日8時から12時の開校で、年間授業数は40日。教員免許取得者が質の高い教育を提供している。プノンペン補習授業校の土谷龍一氏は、「日本人学校の校舎、設備が使えて、教員もボランティアできてもらったりと、さらに充実した内容になってきた」と語った。
インターナショナルスクールは特定の国の教育システムを採用しておらず、学校ごとにカリキュラムを設定して運営している。イギリスのIGCSE(国際中等普通教育証明書)や、IB(国際バカロレア資格)、また、独自のオリジナルのカリキュラムを作成して運営している学校もある。
日本を含む世界11か国で展開しているシンガポール系列のインターナショナルスクール、イートンハウスのダニエル・リー氏は、「一口にインターナショナルスクールといっても基準がないので、あちらの学校とこちらの学校で同じことを学べないのです」とカンボジアのインタースクールの課題点を指摘した。しかし一方で、制限が少ないため「フランチャイズで展開できるので、シンガポールや日本などから良い教育システムを持ってきて、先生もその国から雇うことができ、質の高い教育を提供することができます」とインターナショナルスクールのメリットを語った。つまり、教育方針によって進学の選択肢が年々増えてきていると言えるだろう。
(127 カンボジアのマーケティング・メディア①へ続く)