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2015年11月8日
カンボジア進出ガイド

【金融・保険】

076 カンボジアの金融&保険④(2015年10月発刊 ISSUE03より)

保険 Insurance

損害保険 General Insurance

075 カンボジアの金融&保険③から続き
 カンボジアの保険業は著しく成長している。カンボジア保険協会(IAC)が発表した報告書によると、2015年上半期の保険料総収入は対前年同期比で20%増を記録し、2015年は6,000万ドルが見込まれるとしている。2014年のカンボジアの保険料収入も総額5,300万ドルと、2013年に比べ26.7%増加しており、保険市場は2009年から毎年2桁成長している。保険金の支払い請求で業界が負担した総額は1,830万ドルで、2013年売上高の34.6%に匹敵する。そのうち火災保険料は1,800万ドルと大部分を占めた。機械、健康、自動車などの保険料収入は、前年に比べて12~21%の成長。貨物海上保険の保険料収入は290万ドルと316%も増加し、収入の13%を占めた。



 大手損害保険会社のインフィニティ損害保険のマイケル・グリーン氏は、「現在のように契約者数が順調に伸びてきている中、比較的利益も出しやすい状態です。今後も外資の関心も増すのではないかと予測されています」と述べるとともに、「2014年は3社の新しい保険ブローカーが参入し、2015年は1社の新しい保険会社が認可を受けました。」と付け加えた。毎年著しく成長する保険業界には保険ブローカーの参入が今後も盛んになるだろう。

 シェア45%、業界最大手のフォルテ保険のチャールズ・チェオ氏は、「カンボジアにおいて保険の浸透率は、近隣諸国と比べても低いと言えます。だからこそ今後も大きな成長産業になるのではと期待しています。現在企業向けのプランが保険の重要なセクターとなっております。しかし今後の法整備や個人所得上昇、保険に対する意識の向上に伴い、個人向け保険プランもより活発になり、さらに重要な部門になるもと期待しています」と述べており、「損害保険会社として多彩な保険商品を用意しております。顧客は個人から国際企業までさまざまです。商品は小型保険から石油・ガス産業向けの様な物まで幅広くあります。弊社が成長してきたのも多種多様な保険商品を提供してきたからです。12年以上も市場の要求に応え、トップ企業で有り続けたのは良きパートナーと優れた人材のお陰と思います」と続けた。



 また、インフィニティ損害保険のグリーン氏は、「自動車保険も非常に重要です。自動車の修理にかかる費用は労働賃金の低さから非常に安価です。しかし先進国から来た外国人にとって、第三者へのコミッションの慣例は先進国にはないもので、おかしく思うでしょう。自動車事故に遭遇した場合、もちろん外傷を負う可能性がありますし、それとは別に、特に言語の問題から現場での第三者との補償の交渉は難しいでしょう。この為、事故が起こった時に、事故現場に行き、警察を含めた全ての人と交渉でき、その条件や補償等について交渉ができ、24時間体制でサポートできる評判のいい保険に加入するのが良いでしょう」と語っている。

 交通渋滞が深刻なプノンペンでは、交通ルールを守らない現地人との接触事故を起こす可能性がある。日中は互いに速度が遅い分だけ被害が小さく済むかもしれないが、夜間の事故は被害が甚大となる可能性がある。自動車保険は絶対に加入しておくべきだろう。

健康保険 Health Insurance

 企業が従業員のために加入する保険としては、傷害保険や健康保険が挙げられる。現地での保険の加入について、インフィニティ損害保険のグリーン氏は、「業態別に必要な保険は異なるので、しっかりと検討して欲しいです。カンボジアの医療や健康に関するレベルはまだ発展途上なので、健康保険に加入されるのが良いでしょう。その際には、会社ごとに保険会社に見積りをとれば、いくつかのパッケージの中から選択肢を提案してくれると思います。通院保障から入院保障などさまざまなオプションがあります。カンボジアの医療はまだまだ未熟なため、海外搬送の可能な保険も必要でしょう」と述べた。

 外国人が現地で加入する健康保険料は割高だ。日本からカンボジアに赴任するケースでは、予め旅行者保険を購入することで保険料を抑えることができる。

 インフィニティ損害保険のグリーン氏は、「もしこちらに来て間もない雇用者が準備していない場合、カンボジアに来る前に旅行保険を購入するのが賢明です。在住者がカンボジアで健康保険に入るよりはるかに安く、6ヶ月以上の保障が可能だからです。お金を節約する為だけではないですが、カンボジアに着いて保険の選択に奔走するより、カンボジアでの生活に落ち着く為の時間に使った方がいいでしょう」とアドバイスした。
077 カンボジアの不動産①へ続く


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